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スウェーデン便り バックナンバー
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現地レポートバックナンバー(フィンランド)

2009.05.06

 スウェーデンは不況…それとも?

世界的な不況が続く中で2009年も4月を迎えた。
世界各国は国家、企業、国民が一丸となって経済の復活に取り組んでいる。

日本は不況に関して暗いニュースが多く報道されているが、スウェーデンは?というと、これがマチマチである。
−暗いニュース−
・ジェネラルモータースの傘下を離れたスウェーデンの車両メーカーSAAB(サーブ)はこれから独立独歩の経営を強いられる。新しい買い手がつかなければ倒産か?
・ボルボは昨年から既に人員縮小を決定している。
・来年から年金の支給率が約3.7%下がる予定。

この他、銀行も一行、影響が大きく経営が危ぶまれたが、国のサポートによって国民には直接の影響はなかった。年金も支給率は下がるものの、現役時代にしっかり働いていた人達はそれなりの収入があり、年金額も生活に直接影響を来たすものではなく、今までの贅沢を少し控えなければ、という状況が殆どだ。年金額が少ない人々は最低限度の生活レベルが保たれるよう、国や市町村からのサポートがある。
サーブの経営に関しては懸念されるものの、在庫車両の値下げ販売がされたところ、驚くほど人が集まった。この群集を見る限りでは、”不況”とは縁遠いのでは、と思わされた。

明るいニュースは、サーブのニュースが流れた翌日、スウェーデン最大の電力会社ヴァッテンファルがオランダの電力会社Nuonの株を近年に於ける最高額の85億ユーロで買った。
その翌日にはヴィクトリア皇太女の婚約発表という話題で、この3日間の変化に富んだニュースには唖然とさせられた。

経済学者曰く、「不況の時こそ今まで無駄に消費していたものが見直せる。節約の精神が戻ってくる良い時期だ。」成る程と思えるものの、直接生活に影響を及ぼす人にとっては楽観的に聞こえるだろう。しかし、”無駄に消費していたもの”の見直しはやはり必要だと思う。
ストックホルムもここ最近、週末は人々で溢れかえるはずのレストランやバーは予約をしなくても席があるし、高級ブランドの専門店は閑古鳥が鳴いている。外食やブランド物を身に付けなくても生活は出来るという訳だ。習慣というものは時として怖いものであるが、スウェーデン人のフレックスな対応には何時も感心させられる。
その対応とは、大きくは政治、小さくは各家庭に至るまで、その時々の情勢、状況に合わせて政策や生活を素早く切り替える。

2月から3月にかけて首相をはじめ、各大臣は超多忙を極めて飛び回り、様々な会見やテレビ出演をこなしていた。明暗の事態で大変だっただろうが、常に冷静で真摯な態度で終始一貫して対応していたのには感心させられた。一般市民も深刻な事態と受け止めているが、ある程度の国のサポートがバックにあるという所謂”安心感”が伺える。
非常時に置かれているからこそ国と国民が一体になっている姿が見えるのかもしれない。
また、自分の収入レベルを超えた生活はしない方が良いという考えの人もいる。
特に年金生活を間近にした人達は、毎年社会保険庁から送られてくる年金目安額を元にして自分の生活レベルを決めているようだ。

10日からはイースター休日だった。不景気とはいえ、街中は既にカラフルな羽で飾られた小枝やイースターエッグ、魔女の人形があちらこちらにお目見えして賑わっていた。

さて、堅実なスウェーデン人、今年のイースター休暇はどのように過ごしたのだろう?

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】

text & photo by 牧野 孝子
スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォ−クダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス

巨大なイースターエッグ
巨大なイースターエッグ
巨大エッグを生んだイースターチキン?
巨大エッグを生んだイースターチキン?
スウェーデンの国会議事堂は歩行者天国
スウェーデンの国会議事堂は歩行者天国
オールドタイム・スウェデイッシュイースターエッグ
オールドタイム・スウェデイッシュイースターエッグ
カラフルな羽飾りと水仙はイースターに欠かせない
カラフルな羽飾りと水仙はイースターに欠かせない
 

2008.12.22

 妖精の国 トムテランド

ストックホルムから北西約350kmにMora(モーラ)というダーラナ地方の町があり、そこから40kmのGesunda(ゲースンダ)山の麓にトムテランド(サンタワールド)がある。

スウェーデン語でトムテは妖精の意味で、サンタクロースはユールトムテと呼ばれている。

ユールトムテは、今まで誰も知らない遥か北の国に住んでいた。が、もっと子供達が沢山いるところに住むべきだと考えて新しい住処を探していた。
そして、ダーラナ地方まで下ってきたユールトムテは、このゲースンダ山に不思議な力があると感じ、早速ここを新しい住まいとした。
それが1985年の話で、現在のサンタ村の始まりとなったのである。

ユールトムテは、ここを訪れる子供たちのためにスウェーデン中の妖精たちを集め、完璧なファンタジーランドにした。金鉱を掘るトムテ、森に住むトムテ、冬の女王、エンゼルそして魔女がいて、このトムテランドを歩いていると衆目を集めるモノがあったり、、しわがれ声の魔女に声をかけられてびっくりしたり、ワクワクして飽きる事ない。ユールトムテのおもちゃ工場はヨーロッパ一大きいログハウスである。ユールトムテの家の2階はトムテスコーランと呼ばれるサンタ学校となっている。ここで授業を受けるとユールトムテの不思議な力を授かる事が出来る。以前は、子供だけが入学できたが、大人もその力が必要だというわけで、現在は家族揃って入学する事が出来る!? 私が訪れた際も教室内はギューギュー詰めの大盛況だった。

お腹が空いたら、素敵なログハウスのレストランが少し小高い所に建っている。坂道をよいしょ、と上って中に入れば、大きな山小屋のように天井が高くて暖炉があるウッデイーな暖かい室内だ。お料理はちょっとしたランチブッフェ。味もグーで、デザートのパンケーキを食べたら満腹で幸せな気分になった。その他にも野外の屋台でホットドッグやパスタなどを売っている。お腹が一杯になったら、馬ぞりのツアーで森の中を軽やかに走る。冷たい風も美しい景色で寒さが吹っ飛ぶ。森の中なのでそり遊びやスパルク(キックして走らせるソリ)も楽しむことができる。

これらの仕事をしているのは、みんな”ニッセ”と呼ばれるユールトムテのアシスタントたちだ。彼等は、昼間は子供達など訪問者のお世話をして、夜になるとクリスマスに間に合わせる為にトムテ工場でおもちゃ作りをするのだ。

サンタワールドの門を入るとこのニッセたちがガイドツアーで案内してくれる。
案内されてずーっと歩いて行くとやがてユールトムテの家に辿り着く。中に入ると・・・ユールトムテ(サンタさん)がいない?? 一生懸命捜す子供たち・・・アレレ、いびきが聞こえてきた。大急ぎで寝室に行くとまあ、ユールトムテが気持ちよさそうにおやすみだ。一生懸命子供たちがトムテの大きな身体をゆすって、ああ、やっと起きた!

さあ、これからユールトムテとの楽しいひと時が始まるぞ!

ここは妖精の国。みなさんもユールトムテに会って、不思議な力を是非ゲットしましょう!

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】

text & photo by 牧野 孝子
スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォ−クダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス

トムテの部屋
トムテの部屋
トムテの家とニッセ
トムテの家とニッセ
エンゼルのお店は大繁盛
エンゼルのお店は大繁盛
トムテスクール
トムテスクール
 
 

2008.12.05

 秋のひと時 エコファームにて

予新学期が始まって、学校や職場も軌道に乗ってきたさる日曜日、次女が通っているカルチャースクールの奏者の集いが行なわれた。
年に一度行なわれるこの集いは、ストックホルムの隣町のソルナ市郊外にあるエコファームの集会室。昨年もコンサートと民族舞踊講習に参加する為に訪れたが、今年は一日ゆっくりエコに浸ろうと娘と共に午前中から出掛けた。

エコファームには、弁柄塗りを思わせるスウェーデン特有の赤茶色の大きな農家の建物が点在している。馬など家畜小屋に使っていた部分は、アンティークショップ、コンポスト製品、手工芸の店等に、元々は庭師の家だった少し離れた家屋は、昨年から陶芸デザイナーのアトリエとショップになっている。デザインと聞けば見逃せない! 私は、先ずこのショップに足を運んだ。陶芸デザイナーは、カーリンさんという女性。お父さんがこのファームに店を持っている事から良く訪れ、この元庭師さんの空き家に目をつけたのだそうだ。家屋は広いので、もう一人、タペストリーデザイナーと共有しているそうだ。カーリンさんの作品は”白”がベースカラー、それに可愛い野草や蝶のモチーフのプリント柄がワンポイント的に入れられている。どれも一つ一つ丹精に作られている暖か味が伝わってくる作品だ。話を聞いていくうちに、日本にも出しているとか、さすがです。

メインハウス(母屋)にあたる建物には、自然カルチャースクールの部屋、オーガニック・カフェレストラン、それに集会スペースがある。カフェレストランでは、オーガニックメニューが紹介されていて、ランチには早速お勧めのオーガニックバーガーを注文した。パンとほとんど野菜だけのこのバーガー、いわゆるベジタリアンメニューのようなものだが、結構お腹が一杯になる。何故か? 例えばパンだが、ハンバーガーショップのものと違い、大麦、ライ麦、カラス麦の他にクルミやひまわりの種なども入っていて、まさにオーガニックの栄養が目に見える。野菜も手作りのミニキャロット、青物、それに唯一の肉類は干しハムが入っている。なるほど、肉類も栄養として必要だが、取りすぎるのはいけないという事か、と納得しながら身体に良いものを食する事が出来た。

お腹が一杯になったところで、スウェーデンといえば”ウール”も見逃せない。早速、フェルト製品のハンディークラフトショップへ。ここも赤茶色の可愛いコテージだ!
ウールは確かに暖かいが、柵の中で自由奔放に飼われているあの羊たちの毛も使われているのだと思うと更に暖かさと親しみが湧いてくる作品ばかりだ。コテージショップの中には、ディスプレイに常にこだわりのアイディアを出しているキュートなおばさまとお母さんのような暖かさを持った親切な女性。作品もオーガニックファームらしくフェルトで作った野菜のオブジェや花のブローチ、ここの主役である羊のぬいぐるみ、手袋、スカーフ等々、これから寒さに向かって欲しくなるものばかりだ。あっ、と見つけたのは私の好きなパープル色のウールとオーガンジーを組み合わせたスカーフ。もちろん買いました!

オーガニックとお買い物に浸った後は、そろそろコンサートが始まる。奏者はやはり熟練組が多かったが、それだけに聴き応えのある演奏。我が娘を含めて20〜50代の男女の姿も。老若男女が一つになって奏でる民俗音楽は建物全体に心地よく響いていた。アンコールの拍手は止まらない。

予定より長引いたコンサートに満足して娘とカフェでホームメードのブルーベリータルトとオーガニックコーヒー、紅茶でホッと一息。

お天気も良かったし、ああ、いい一日だった。
休息は自分で作るものだとつくづく感じた一日でした。
皆さんも良いエコな休息日を是非作ってくださいね!

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】

text & photo by 牧野 孝子
スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォ−クダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス

エコファーム
エコファーム
フェルト手工芸のコテージ
フェルト手工芸のコテージ
ニッケルハルパのコンサートも
ニッケルハルパのコンサートも
オーガニックカフェ
オーガニックカフェ
 

2008.6.17
 6月 花・パレード・祭

水無月の日本ではじっとりした梅雨の季節でアウトドアライフや野外でのイベントを楽しむのも少々消極的になりがちである。
こちらスウェーデンでは、毎年6月中旬くらいまで比較的天候に恵まれる。
街中は新緑も増し、花が咲き乱れる風景が広がる。6月は行事と共にその美しい花々が活躍する季節である。

ところが、今年は例年より早く5月下旬から6月10日頃まで毎日25度以上の暑い日が続いた。
3週間以上も晴天が続いたためいつもは6月下旬まで楽しめるはずのマロニエ、ライラック、こでまり等も花が一気に咲き、乾燥した気候の影響で残念な事に早くに色あせてしまった。辛うじて、サンザシ、キングサリは色鮮やかなままに残り、原っぱや畑では菜の花が咲き乱れている。シャクナゲ、シャクヤク、イヌバラやニワトコの花も今年は早々と咲き出した。
街の広場やベンチの周りにはコンテナガーデンがお目見えし、花屋さんの店先も色とりどりの花々で溢れかえっている。

行事の方では、5月末に”ストックホルムマラソン”が開催された。この美しい街並みを見ながら走るのは気持ちが良いのだろうか、近年は外国からの参加者も増えて、人気を呼んでいる。
良い気候のこの頃、学校の授業は校外学習が行なわれる。その後、卒業式、終業式が各学校毎に日程をずらして行なわれる。

ここで、スウェーデンの伝統的な高校の卒業式をご紹介しよう。
卒業式当日、生徒は朝9時頃いつもどおりに登校する。12時頃、講堂での式典を終えた卒業生達は、祝いに駆けつけた両親や兄弟・姉妹、親戚の人達が待つ校庭にクラス毎に登場する。親達はそれぞれ卒業する我が子の幼少時代の顔写真を大き〜く引き伸ばしてプラカードに設え、それを掲げて待機する。これは自分達の居場所が子供にすぐに分かるようにするためだ。
主役の彼等は、白い卒業帽を被り、女子は白の衣装をまとい、男子は黒っぽいスーツ姿の装い。そして、バラ一輪或いは小花をブーケにしてリボンで結わえてオリンピックのメダルのように胸元にかける。それはお互いにプレゼントし合うので、卒業生達の胸元は花盛りだ。
卒業生達が校庭に駆け出してきたら、そこは瞬く間に”感嘆の渦”となる。お祝いのハグ、記念写真、友達同士”花のメダル”をプレゼントしあって歓びのラッシュアワーだ。
その後は待ちに待った「お祝いパレード」が始まる!
昔は親がオープンカーを用意し、スウェーデンカラーの風船や白樺の木の枝で飾って、卒業した我が子と共に家族で街中をパレードするのがお決まりであった。
ところが、最近はそのパレードの趣向が変化してきた。人口の増加に伴い、オープンカーの調達もそう簡単ではなくなってきたこととこれで別れることとなるクラスメートと歓びを分かち合いたいという理由から、クラス全員が一緒に貨物トラックの荷台に乗りこみ、それで街中をパレードする。音楽を鳴らしてお祝いのシャンパンやビールを飲みながら手を振って、荷台の上はもう大騒ぎ。道路はそのパレードのお蔭でノロノロ運転。周辺の車はクラクションを鳴らす。が、これは注意するのではなく、「おめでとう!」の合図である。大人達もかつては同じ体験をしてきたので、卒業と18歳の成人を祝ってあげているのだ。そう、スウェーデンは18歳が成人年齢、これで晴れてお酒も飲める?!のだ。トラックは白樺の小枝を飾りつけ、青と黄色の風船で飾って、貨物ならず大人の仲間入りしたホヤホヤの若者たちを乗せて走る。

6月第2週までにはこの行事も終わり、子供たちは夏休みを迎える。同時にストックホルムの街は観光客で賑わい始める。
そして、下旬(今年は20日)に夏至祭イブのイベントが行なわれる。
夏至祭のセレモニーに使われるメイポールは白樺の小枝と花々で飾られ、女性や子供達は花のリースを作って頭に飾る。
その後、男性達が力を合わせて建てたメイポールを囲むように大勢でダンスを楽しむのだ。

例年の事ながら6月前半は良い天候に恵まれるが、後半はいつも下り坂。今年のミッドサマーのお祭は晴天になるだろうか?
みんなの元気なダンスで、雨雲が吹っ飛びますように!


卒業おめでとう!
卒業おめでとう!
トラックパレード
トラックパレード
風船もつけて
風船もつけて

text & photo by 牧野 孝子
スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォ−クダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス


2008.4.09
 ガムラスタンのアートストリート

ストックホルムは、この冬暖冬の影響で雪が雨になり、湖も凍らないまま3月下旬のイースターを迎えた。
イースターの事をスウェーデン語でPask(ポスク)と呼ぶ。ポスクはヒヨコと卵と黄色のラッパ水仙がシンボル、ポスクカラーも黄色である。
春分の日に近い日曜日が当日であるが、金曜日はGood Friday(聖金曜日)で休日になっているので、仕事は木曜日の午前中で終わる。
学校も2週間のポスク休み。日本式に言うと時期的にちょうど春休みにあたる。
また、3月最終の日曜日からは夏時間が始まり、日照時間もぐんと伸びるので、春の日差しだなあと感じ始めるのもこの頃だ。

ところが、今年はこのポスク休日の終わりから何と雪が降り出した!
ストックホルムの景色は冬に逆戻りと言うより、今シーズン初めての雪景色になったのである。いきなり気温が下がり、突然の積雪は思いもよらない番狂わせだったが、驚きと同時に安心感が訪れた。
私がスウェーデンに初めて来た年の冬は豪雪で、慣れない雪道を歩くのは街中でさえ体力を要してとても大変だった。しかし、同時にこの白さに引かれた。純白に包まれたシン!とした静けさの世界は身も心も清められる気がする…なんて、少々大げさかもしれないが、今では冬に最低一度はどさっりとした雪を見ないと何となく落ち着かない。
こちらのデザイナー達に好きな色は?と聞くと、皆一様に”白”と答える。白をベースにすると周りに置くインテリアはどんな色でも合わせられるからだそうだ。
もしかしたら、この雪国だから”白”を基本カラーとして大切に思うのかしら、と雪のなかった今年はふとそんな事を考えた。

雪がなくて物足りなく思っていた頃、3月初めに北極圏のラップランドに仕事で出掛ける機会があった。さすがに当地は雪がどっさりあった。トナカイもオーロラも見えて満足して帰ってきたら、その後ストックホルムでも雪が降ったのでおまけをもらったみたいでこれまた嬉しかった。
それならば、雪景色のガムラスタンは素敵だろうと思い、週末に出掛けたのだが、あいにくこの日から気温が上がって雪は融けてしまった。ウーン残念!この冬はクリスマスマーケットも雪がなかったのでチャンスだと思ったのだが、まあ仕方がない。でも、せっかくなのでポスクのディスプレイがまだ少し残っている町並みをパチリ。
ガムラスタンは、ヴェステルロングガータン(西のロングストリート)とエステルロングガータン(東のロングストリート)がメインストリートとなり、王宮を挟んで島をぐるりと一周出来るようになっている。
ヴェステルロングガータンは様々な店がひしめき合って、いかにも観光通りという雰囲気。反して、東の方は西に比べて比較的静かである。が、実はここが芸術やデザイン好きの人にはお勧めの穴場通り。名付けて”ガムラスタンのアートストリート”。
この通りにはギャラリーが点在していて、こだわりショップが多い。「トムテとトロール」人形を手作りしている工房ショップ、スウェーデンデザイナーのニット製品や子供服、カリコというブランドのおもちゃ屋さんにエコ(オーガニック)製品のショップもあり。レストランに至っては老舗のビストロや調理コンペで優勝したポンティス氏経営のグリーンレストラン。アンティークでは、店一杯にぎっしりと溢れるように品物を並べた海洋グッズのショップ。小さなスクリューのアクセサリーから羅針盤や巨大な通気孔までドンと置いてあり、まるで船に乗っているみたいだ。海に隣接しているストックホルムならではのアンティークショップかと頷ける、船のマニアには必見の場所。

季節の変わり目は、木々や花々がまだお目見えせず少し寂しいが、こんな時こそじっくりとショップのそぞろ歩きをするのにいいチャンスかもしれない。季節外れに旅行する羽目になった貴方もどうぞご心配なく!


春間近の証拠写真
イースターウィッチ
植物園内の園芸ショップ
ギャラリーDIANA
The Royal Danish Play House
ニット製品
今月の男子学生
かわいい雑貨ショップ
今月の男子学生
今通りの入り口にもオブジェが!

text & photo by 牧野 孝子
スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォ−クダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス


2008.2.12
 キルナからの日帰りの旅

世界でも最大規模を誇る地下鉱山があるキルナではありますが、鉱山の固い?!イメージとは裏腹に、街中にはかわいらしいお店があり、雑貨屋をめぐりながら、おしゃれなカフェで一息・・・というのも、ここでの楽しみのひとつです。

しかし、時間に余裕がある方には、キルナの街から一歩足を伸ばしてみることをお薦めします。

今回は、ここを基点に遊びに行ける日帰りの旅のご案内です。

まずは、キルナから17kmの所にある小さな村、ユッカスヤルビ。
路線バスで約30分。
世界的に有名なアイスホテルを通過後、5分で 終点。
その突き当たりにはなんと1607年に建造され、ラップランドでも一番古い建物である小さな教会があります。
教会内には壁画の装飾がありますので、外からだけではなく、ぜひ中もゆっくりとご覧下さい。

また、教会見学の後には、すぐ横にあるレストランがお薦めです。
1768年に建てられた農家を改装しており、ランチ、ディナーはもちろんの事、ケーキ等もありますのでカフェとしてのご利用も可能です。
味だけではなく、雰囲気もとても良い素敵なレストランです。
アイスホテルから歩いても約15分ですので、行き帰りのお散歩がてらに立ち寄ってみるのもいいでしょう。

次にご紹介するのは、欧州最北鉄道ノーランストーグでの列車の旅。
約3時間で国境を超え、ノルウェーのナルビクまで日帰りで往復できます。国境のリクスグレンセンを越え、ナルビクまでフィヨルド沿いを列車が進みます。ノルウェーならではのダイナミックな車窓からの景色は必見です。また、自然を満喫したいという方には、途中、キルナから約1時間半の所にあるアビスコツーリストステーションがお薦めです。

駅直ぐ横に、“王様の散歩道”として知られているトレッキングコース、クングスレーデンの入口があり、初心者でも歩ける短いルートが整備されています。夏はトレッキング、冬はスノーシューズ、クロスカントリースキー等で気軽に国立公園の景色を楽しむことができます。

最後に、一般的にはあまり知られていませんが、キルナの中心から45km離れた所に位置する、エスレンジのご紹介です。
ここは、スウェーデン宇宙局の実験場であり、ヨーロッパで唯一の民間宇宙局として国外からも多くの科学者の方々が研究に来ています。
ここでは、気球や小型ロケットを発射して、大気の様々な観測が行われています。また、近々始まる、英国企業のヴァージンギャラクティック社の商業宇宙飛行の基地のひとつとしても考えられており、今後、益々注目の場所となっていきそうです。 残念ながら、個人での訪問はできませんが、ツーリストインフォメーションにてエスレンジツアーを催行しており、ロケット発射擬似体験、発射場を含めた設備等、ガイド案内付きで見学すること
ができます。

市販のガイドブックにはあまり情報も載っておらず、まだまだ隠れ家的存在のキルナですが、オーロラ、ウィンターアクティビティ以外にも楽しみいっぱいです。

【キルナ現地駐在員】

ユッカスヤルビ教会
車窓から
エスレンジ
ホームステッドレストラン
 
現地レポートバックナンバー(フィンランド)

2008年01月16日
 雪のないストックホルム

2008年、新しい年が始まった。
1月といえば、建物が密集した街中も雪景色というのが当たり前だった
のだが、この5、6年は暖冬に見舞われ、クリスマスでもずっと雪がない
状態である。 子供達はこの時期楽しみしているソリ遊びが出来ない
のでつまらなさそう。

しかし、喜ぶ人もいる。
寒さに慣れていないツーリスト達、中でも日本の方々は、「雪景色を
楽しめなくて残念ですね。」と言うと、「いえいえ、過ごしやすいです。」
と答える方が結構いらっしゃる。

北欧イコール極寒!という観念で来られているから、雪がないという
だけでも凌ぎやすいと感じられるのだろうか?
まあ、確かに地面も滑らず歩きやすいが…

さて、北欧の冬は何もする事がない、せいぜいスキーぐらいだろう、
と思われがちであるが、中々どうして屋内設備が整っているので、
スポーツなどはふんだんに楽しめる。

学校の体育の授業も体育館で行なわれるが、街中に建っている
学校は場所を確保するのが難しい。
そのため、地下に大きなジムが設けられている。

水泳の授業に至っては夏だろうと思われるかもしれないが、これは
冬に行なわれる。
ここスウェーデン(北欧はどの国も同じ)では、夏は2ヶ月以上休み
になるので、屋外での水泳訓練はありえない。
しかし、冬に練習するにも各学校にプールを作っていたのでは、
この人口の少ない国だとコストがかかりすぎる。
そこで、各地域に設けられている公共の屋内スイミングプールに
生徒達の方から出向くという方法を取っている。
体育教師が時間を予約して、クラス毎にプールに通って水泳の
授業を行なう。

私も最初は驚いたが、考えてみれば合理的だし、それだけ国中の
設備が整っているという事なのだ、と感心した。
プールにはサウナやドライヤーも完備されているので、子供達は
十分温まって帰ってくる。

郊外には大きなアイスホッケー場があり、子供達も男女を問わず
練習に励んでいる。余談だが、2006年にイタリーのトリノで行われ
た冬季オリンピックに於いて、男子アイスホッケーはスウェーデン
のチームが優勝、女子は惜しくも2位であった。

話を街の方に戻そう。

今シーズン、雪はかろうじて大晦日から4、5日降り続いたが、気が
付くといつの間にか気温が5℃に上がり、雨になってしまった。
日陰に残っている雪が何故か遠慮がちに見える。
これじゃあ秋なのか春なのか分かりゃしない…という事は、
恒例の王様公園の無料スケートリンクは無理なのかしら?と
見てみると、ちゃんと11月から営業している。
そう、スノーガンという方法がありました。
みんな楽しそうに滑っている。
周りに雪がないのが少々違和感を招かないでもあるが。
このスケート場は、スケート靴を持参すると滑るのは無料、靴が
ない人はレンタルもあるので誰でも気軽に滑れる。

冬は凍るので遊覧船は無理だろう、と思っている方もいらっしゃる
でしょうが、王様公園のすぐ傍のグランドホテル前の入り江から
ボートが出ていて1時間足らずの運河とバルト海一部の遊覧が
楽しめます!

湖の方は、さすがに凍ってしまうので、2時間コースのメーラレン
湖遊覧船は運休している。

その他の楽しみはというと、買物好きな人ならバーゲンセール!
クリスマスが終わるや否や始まるので、サンタさんを信じていない
大人は、クリスマス休みが終わるまでプレゼントをグッと我慢する
人も最近は出てきたようだ。
でも、これはちょっと悲しい… クリスマスといえども経済面には
勝てないのか? 北欧は昔からエコノミストが多いと聞く。
とはいえ、私もバーゲンのチラシにスーッと吸い込まれるように
デパートに入っていく一人である。(笑)

でも、子供達へのプレゼントは、ちゃんとサンタさんが来る当日に
用意していますよ。

バーゲンで見逃せないのが、オリジナルでは高くて買うのを躊躇
してしまうスウェーデンのデザイナーものだ。
でも、欲しいものがありすぎて、結局高い買物になるか、次回に
回してしまう事も…来年は是非計画的に買いたいものだ。

お正月休みを利用して旅行に来ようという方、賢く買物をしながら
屋外も楽しみましょう!


王様公園スケート場
水上遊覧
バーゲンセール
バーゲンセールの買い物客

 

text & photo by 牧野 孝子
ストックホルム公認ガイド 在住25年。 スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォークダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。 趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス

現地レポートバックナンバー(フィンランド)

2007.11.6
 秋深し 早く来い来いクリスマス〜♪

今秋のスウェーデンは、北のラップランドで早々と雪が降ったものの、
ダーラナより南の方は10℃前後の安定した気候で紅葉も長く楽しむ
事が出来た。

しかし、11月に入ると紅葉も次第に終わりを告げ、雪が本格的に降る
までは独特のどんよりした空となり、まさにグレー色の季節が訪れる。
実は、この時期が一年のうちで最も憂鬱でつまらない。
10月最終の日曜日からは冬時間が始まる為、日照時間が短くなる
ので一層暗さを感じさせられる。

11月1日の万世節(アメリカではハローウィーン)にお墓参りをするが、
この頃から「寒くなってきたわね。」「雪でも降ってくれればいいの
だけどね。」などと言う声が聞こえてくる。
寒いのは嬉しくないけれども時期的には当たり前の事。
だから、せめて雪が降ればグレーの世界も雪の白さで明るくなって
くれる、という意味でスウェーデンの人々はこんな会話をするのである。

さて、11月も末に近づいてくると街中は急に明るく賑やかになってくる。
そう、クリスマスの準備が始まるのである。ファースト・アドヴェント
(今年は12月2日)から街中の広場には大きなモミの木が設置され、
イルミネーションで飾られると同時に、待ちに待った冬のイベントとも
言えるクリスマス・マーケットが始まる!

野外博物館のスカンセンではトラディショナルなスタイルで毎週土・
日に行われ、ガムラスタン(旧市街)の大広場では毎日、郊外の
ドロットニングホルム宮殿は12月中旬の土・日に催される。その他、
王様公園や小さな広場、郊外の宮殿等大小様々な規模で開催され
、それぞれ特徴があって面白い。
暖冬の影響で雪のないクリスマス・マーケットになる事もあるが、
雪が降ればもう最高の雰囲気。寒さなんかどこかに飛んでいく。

ヨーロッパのクリスマス・マーケットといえば、得てしてきらびやかで
派手なイメージがあるが、スウェーデンのものはゴテゴテと飾り立
てないので、素朴でロマンチックな雰囲気を楽しむことが出来る。
ガムラスタンやスカンセンなどは特にお勧めの場所。

クリスマス・マーケットを訪れられたら、是非味わって頂きたいの
が「グロッグ」という飲み物。
数種類のスパイスを混ぜたホット赤ワインと思って頂ければいい。
これにアーモンドとレーズンを入れてスプーンですくいながら
いただく。 ジンジャークッキーも出されるので一緒に賞味。
身体がとても温まりますよ。 そうそう、お酒に弱い方は、ノン
アルコールのものを注文するのをお忘れなく。
ところで、このグロッグ、日本でも似たような味の飲物があります。
さあ、それは何か?あなたも賞味して当ててみて下さい。

温かいと言えば、ガムラスタンのマーケットでは”スウェーデン風
ワッフル”のお店も出ています。
夏の野外カフェで食べ忘れた方は此処で是非どうぞ。

12月のスウェーデン、特にストックホルムは毎年この時期目
まぐるしい忙しさになる。
12月初めに世界の頭脳が次々とストックホルム入りする。
そう、ノーベル賞受賞者達である。
それから”ノーベルウィーク”が始まり、受賞者達は様々な行事で
忙しく過される。 締めくくりは10日に行われるコンサートホール
での授賞式と市庁舎での豪華な晩餐会である。

ノーベル賞が終わると今度はスウェーデン全体の行事である
「ルシア祭」が行われる。 12月13日前後は、幼稚園から老人ホーム
までロウソクの冠姿のルシア姫が現れて歌を披露してくれる。
一年で最も暗い日に光を運んでくれるというセレモニーである。
教会ではこの時期からルシアソングを含めたクリスマスコンサート
も始まり、何処も予約で一杯になる。
音楽好きの方には、このコンサートを是非お勧めしたい。
特に音楽学校の生徒達が歌うその清らかな歌声は素晴らしい。
このコンサートで涙を流された日本の方々を私はこれまで何人
見たことか…

お買い物にコンサート、冬のスウェーデンもイベントが一杯。
さて、今年のクリスマスプレゼントはFrom Sweden?


 
 
 
 

 

text & photo by 牧野 孝子
ストックホルム公認ガイド 在住25年。 スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォークダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。 趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス


2007.9.12
 食欲の秋! スウェーデンの味覚あれこれ

日本ではまだ残暑が厳しい時期だが、スウェーデンの秋は8月中旬頃
から始まる。
近年の温暖化が顕著になる以前は、8月中旬になると気温が15℃前後
まで下がり、まさに秋の気配を実感する気候となったものだ。
学校も8月20日頃から新学期(秋の学期と呼ぶ)が始まる。
スウェーデンではこの時期、早々と秋の味覚がお目見えする。

8月に入るとお天気の良い週末は、お弁当を持って家族で森へ
ハイキング。
春から夏にかけて太陽と適度な雨に恵まれると森は野生のベリーや
キノコの宝庫となる。
足元一面に広がったブルーベリーや日本では高山植物のリンゴン
ベリー(苔桃)を大人も子供も夢中になって摘んでいく。
ブルーベリーは、そのまま食してもジャムやパイにしても美味しいが、
今迄で一番美味だったのはホームメードのブルーベリー
アイスクリーム。 これはVery good!

リンゴンベリーは、生のまま砂糖としっかり混ぜ合わせてジャムを作る。
スウェーデン・ミートボールを食する際に欠かせないものだ。
キノコ狩も楽しいもので、図鑑を見ながら食べられるものを探す。
種類が非常に多いので毒キノコには気をつけなければならない。

中でも見つけにくい上に味がよくて市場で最も高価なものは
カンタレール。
山吹色をしていてその実が厚い。日本語では杏茸。
料理すると香りも歯触りもとても良い。
これを見つけられたらあなたもキノコ狩りの才能あり!
今夏、特に7月は雨が多かったが、気温も高かったので、自然の恵み
はよく育ったようだ。
野外マーケットではベリー類もキノコもどっさりお目見えしている。

ここで、スウェーデンならではの食べ物をご紹介。
5月になると北スウェーデンのハイコースト地方では、バルト海
ニシンの漁が始まる。
まだ小さめのニシンを6週間ほど塩水に漬け込む場面が日本の
テレビで紹介された事がある、あの「スールストローミング」が
出来上がる。
これは、この地方の食べ物だが、缶詰にして8月頃にはスウェーデン
中の市場に出回る。
発酵させたニシンは、古代からお腹にとても良い食べ物として
伝わっている。

日本にも輸出されているが、食べ方を間違えたら、とてつもなく
凄まじい匂いが数ヶ月間家の中から消えないので要注意!
スウェーデンに旅行に来たついでに買って帰ろうとされる
ツーリストも時々お見受けするが、これはお勧めできない。
常時17℃以下で保存しなければ発酵して缶はパンパンに膨れ
上がってしまう。
帰路の機内で破裂でもしたら、とても高い買い物になって
しまいますよ…!
賞味されたい方は、是非スウェーデンのハイコースト地方で。

皆さんは子供の頃、池でザリガニ釣りをされた事がありますか?
私は、よく従兄弟につき合わされて釣りました。
ザリガニの餌にする蛙を追っかけ回して捕まえるのが大変で
したが(笑)、ここスウェーデンに来たら、そのザリガニを食べて
いるのにビックリ。
最初の頃は一緒に出される殻付きの甘エビばかり食べていた
ものです。
しかし、郷に入っては郷に従え、スウェーデン育ちの我家の
子供達は大好きで、この季節は家族でザリガニの殻と闘うことも
しばしば!?
お味は?と言うとカニとエビをミックスさせたような感じ。
ザリガニ漁が解禁になるのは8月、この時期からザリガニとエビ
のサパーを楽しめるクルージングも始まる。
話のついでにスウェーデンでは“海のザリガニ”も食することが
出来る。
これは、各都市の屋内マーケットのレストラン、魚専門店等でどうぞ。

いやはや、書き連ねてみるとスウェーデン人は変わったものを
食べるということを今更ながら再発見。
これもメルマガのおかげです。

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】

 


ベリーやキノコ
カンタレール
スールストローミング
ザリガニ

 

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ストックホルム公認ガイド 在住25年。 スウェーデン渡航の目的は、スウェーデン・フォークダンスを通じて知り合ったご主人と結婚するため。 趣味はスウェーデンのフォークダンス、ガンマルダンス

現地レポートバックナンバー(フィンランド)

2007.7.5
 ストックホルムのユニーク・カフェ

今年の夏至祭も6月22日に終わり、これからは日照時間が少しずつ短くなってくる。 しかし、夏のシーズンはこれからが本番。
そこで、今日は夏のストックホルムでの過し方をご紹介しよう。

お勧めのひとつは5月頃から姿を現すアウトドアー・カフェ。
「ああ、外にテーブルと椅子が出されている喫茶ね。」と思われるかもしれない。 いえいえ、ストックホルムを訪れたら街中をじーっくりと見回していただきたい。 ほうら、見えてきました、ユニーク・カフェ!

先ずは、水の街ストックホルムならではとも言える水上カフェ。
ボートを使ったものが多いが、運河にはユラユラ揺れる桟橋カフェもある。
水面を見ながらコーヒーやケーキを楽しむのは、また格別なもの。

♪大きな栗の木下で〜♪にあらず、10本の大木に囲まれた木陰が心地良い「王様公園」(Kungstradgarden)のカフェ。
横の芝生では寝転んで、日光浴でも昼寝でもOK。

旧市街ガムラスタンといえば、アウトドアー・カフェのメッカとして知られている大広場(Stortorget)。 カフェの数も然る事ながら、それを覆い尽くすように人々が溢れかえっている。 この中に入れば、彼方もアウトドアー・カフェのエキスパート!その中の一軒には、レインボーフラッグが掲げられているお店も…!?

ちょっと足を延ばしてユールゴーデン(Djurgarden)のローセンダール(Rosendal)植物園に行くとオーガニックカフェがある。
広々とした林檎園に隣接した場所にテーブルと椅子がたくさん用意されている。 注文はグラスハウスの中のカウンターで。 飲物などはセルフサービス。 紅茶もオーガニックの様々な種類がある。
ケーキやクッキーも全てオーガニック。
ショップをのぞくと自家製のオーガニック野菜やパンも売っている。
カフェは午後4時まで。

ユールゴーデンは、ナショナルパークに指定されている島。
此処に座っていると、本当に街中なのかと疑いたくなるほど森林浴もできる自然がいっぱいだ。

ストックホルムで是非体験して頂きたいのは、「移動カフェ」。
アンティックな車両の路面電車トラム・カフェだ。
2両連結になったトラムの2両目は、屋根に乗ったコーヒーカップが目印の喫茶車両。 運行は、土・日・祝日に限定。時間も決まっているので、予めチェックしておこう。街中の中心ノッルマルムストリィ(Norrmalmstorg)が発着地。2両目に乗ると、コーヒーか紅茶に菓子パン1個が付いて乗車料金込みで1人60クローナ。 お茶を飲みながら約40分間のユールゴーデン往復のSightseeingが楽しめる。下車は自由。

市内から30分ほどの郊外の宮殿に足を延ばすと、庭園の外れにある1600年代の厨房が夏のカフェになっている。此処はコーヒーも美味しいが、ホームメードのスウェーデン風ワッフルを是非ご賞味あれ!! スウェーデンのワッフルは、焼きたての暖かいフワフワしたものにノンシュガーのホイップクリームとラズベリージャムを添えて頂く。 此処は休日になると現地の人達がよく訪れる穴場だ。

さて、コーヒーについての豆知識をひとつ。
スウェーデン人は大のコーヒー好き。カフェで注文すれば、必ず1人2杯分の量がコーヒーポットに入れられてサービスされる。 もし、コーヒーポットで出されなかった場合は、カップを持っていくと無料でお代わりをいれてくれるシステムになっている。 スウェーデンに来たら、遠慮がちな皆さんも美味しいコーヒーを進んでお代わりしましょう!

ストックホルム界隈には、まだまだ他にもユニークなカフェが潜んでいますよ。街をくまなく歩いて、彼方のお気に入りを見つけてください!

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】

 


王様公園カフェ
アウトドアー・カフェ
オーガニックカフェ
トラム・カフェ

 

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現地レポートバックナンバー(フィンランド)

2007.6.5
 学研都市 ウプサラ

ストックホルムから列車で約40分の所にウプサラ(Uppsala)という町がある。 「学研都市」というと固い感じを受けるが、この町はこぢんまりとした中に様々な建物が隣接し、町の中心に川が流れて美しい景色が自慢の、とても落ち着きを感じる所である。

この町で興味深いのは、ウプサラ大学。
1477年に設立された北欧最古の大学である。

神学校から始まり現在は、法学部や医学部等4つの学部を有するスウェーデンに於いてノーベル賞受賞者を一番多く拝出している国立大学である。

玄関ホールの床は、一面にモザイクが敷き詰められ、落ち着いた雰囲気を醸し出し大学という威圧感は全く感じられない。 ここを訪れた日本人は一様に、「こんな所ならもう一度学生になって勉強してみたい。」と誰もが言われる。 そう、それは不可能ではない。 スウェーデンは医学部のみ35歳という年齢制限があるが、それ以外の学部は、高校の成績が条件に満たされていれば何歳でも入学申請出来る。 然しながら、ウプサラ大学入学を諦めても、玄関ホールには自由に入れますので、せめてその雰囲気だけでも味わって頂きたい。

去る5月23日は、日本から天皇・皇后両陛下がこの町をご訪問になられて大いに賑わった。

世界的な植物学者カール・フォン・リンネ(スウェーデン語ではリネーと発音)博士の生誕300年祭が盛大に行われたからだ。
南スウェーデンで生まれたこの博士は、ウプサラで研究し、多くの弟子を世界各地に派遣した。 勿論日本にもカール・ペーテル・ツンバリィという、博士の若い弟子達の中では一番優秀だった人物が当時の江戸まで旅して将軍の侍医達に先端医学を教授した。 まだシーボルト博士が訪れる以前の話である。 リンネ博士は、後にウプサラ大学の学長に就任している。

この大学から歩いて2、3分の所に在る大学図書館カロリーナ・レディヴィヴァ(Carolina Rediviva)は1620年に設立された。 ここには、西暦500年代に作成された銀の聖書が展示されている。 まだ紙というのもがなかった時代に何を使ってこの聖書を作ったのだろう?
その秘密が知りたい方は、是非ご自分で確かめにいらして下さい!

町のシンボルとなっているもののひとつは、何と言っても118.7mの高さを誇るツインの塔を構えているウプサラ大聖堂だろう。
この高さは、ストックホルム市庁舎の塔(106m)よりも高く、北欧で一番大きな教会である。 町中の建物には高層ビルがないので、この大聖堂の塔は、ひときわ目立つ。 スウェーデン王国の建国の父と言われるグスタフ・ヴァーサ王もこの教会の頂点にあたる場所に埋葬され、童話では、「ペッレ・スヴァンスロース(尻尾のないペッレ)」の舞台にもなっている。

大学玄関前の坂道の直ぐ下には、グスタヴィアヌム(Gustavianum)ウプサラ大学・ミュージアムがある。 ここには、1600年代に建設されたオロフ・リューベック教授の解剖学用の階段講堂が再現されている。 この教授は医学者だけに留まらず、建築や芸術面にも長けていた人物で、1702年に2回目の大火事に見舞われたウプサラ大聖堂を救うべく、その命をかけた事でも有名である。 同年に亡くなり、遺体は教会の中央に埋葬されている。 この教授がノーベル博士の先祖だと言えば、「成るほど。」と納得されるのではないだろうか。

まだまだ興味深い話は尽きないが、主だった場所は全て徒歩で回れる範囲である。5月から9月いっぱいは、リンネ博士の植物園を見学する事も出来る。
食事は、美味しい魚屋さんのレストランやサルー・ハルー(市場)の新鮮な料理を楽しむ事が出来る。リンネ植物園の周りには落ち着いたカフェやハンド・クラフトのお店があり、1日があっという間に過ぎてしまうだろう。

最後に一言、此処は学研都市である。

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】


ウプサラ大学
リンネ植物園
ウプサラ大聖堂
ウプサラ城公園

 

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現地レポートバックナンバー(フィンランド)

2007.4.3
 フォークロアのメッカ・ダーラナ地方

スウェーデン人の関心事は?と尋ねられると、第一に思い浮かぶのが「休暇」である!
イースターの休みが始まる前か終わる頃(4月初め頃前後)には、各職場ではそれぞれの夏期休暇のスケージュールに基づいたローテーションが組まれていく。

「どれ位休むのだろう?」と聞くと「5、6週間」」という答えに、日本人は一様に一瞬たじろぐ…
それも殆どのスウェーデン人が取っている。 夏期休暇を少なくする人はクリスマス休みを長く取ってカリブや東南アジアへ避寒旅行に出掛けたりする。 どちらにしても年間有給休暇が5、6週間という事である。

その夏期休暇を取り始めるのは、一般的に6月の夏至の時期となる。
この日は、毎年暦上の夏至に当たる日に近い土曜日に決められていて祝日となり、前日の金曜日は半ドンであるが、殆どの会社は休みにしていることが多いようだ。 学校もそれに合わせて6月10日までには卒業式や学年末の終業式が行なわれる。

スウェーデン人にとってクリスマス休暇と同じ位、最も大切な休暇がこの時期から始まる。 前日の金曜日には、有名なミッドサマー・フェスティバル(夏至祭)が開催される。 祭は、各地域の広場で男性が中心となりメイポールを立て、その周りを民族衣装で身を包んだ老若男女が手をつないで踊る。 夏を迎える喜びを表す楽しいセレモニーである。

同時に、スウェーデン各地では様々なフェスティバルが始まる時期でもある。 その中でも「フォークロアのメッカ」と呼ばれるのは、何と言ってもダーラナ地方である。 外国から多くの観光客が訪れるのは首都のストックホルムだが、地元のスウェーデン人達はサマーハウスのあるダーラナで静かで平和な時を過ごすことも多い。 特に、民族文化が強く受け継がれているこの地方では、民族舞踊や音楽を趣味としている人達は必ずと言っていい程訪れる。 また、この地方の人達は、踊りか楽器を嗜んでいないと話の輪に入れない、と言われるくらい民族意識が強い。 私もストックホルムに住んでいるが、年に1回か2回、1週間はダーラナで休暇を過していた。 冬はスキー、夏は勿論フォークロアフェスティバルの見学やワークショップに参加して楽しむためである。

特に7月下旬に行なわれるダーラナのレトヴィークという町では「レトヴィーク・ダンセン」と名づけられたインターナショナル・フォークロアフェスティバルが開催される。 毎年世界各国から民族舞踊愛好家のグループが参加し、ステージではそれぞれお国独特の踊りを披露し、会場全体では1日中スウェーデン民族舞踊のワークショップや参加している国々の民芸品の販売がある。 それが5日〜1週間続く。6月に行われたはずの夏至祭も今一度楽しめる。

民族舞踊は普段のトレーニングも必ず生演奏で行なわれるので、音楽も非常に大切である。 フォークミュージックの奏者は、国家認定資格となっている「国家音楽士」の称号を受けている人もかなり多い。 バイオリンやニッケルハルパ(スウェーデン独特の民族楽器)、アコーディオン、ベースなどが中心となるフォークミュージック大会「スペールマンス・ステンマ」というフェスティバルも各地域で開催される。 従って、夏は何週間でも旅行しながら、その様な催しを見て周る事が出来るのである。

フォークロアの他に、この地方のモーラという村では、世界一大きなログハウスを構えた「サンタワールド」がある。 2002年にNHKのBS生中継番組「世界まるごとクリスマス」の舞台になったサンタ村だ。 冬は一面の雪景色だが、夏はサンタさんも夏服でお目見えするのがユニークなところだ。 他にも、手描きの絵が可愛い籠やテキスタイル等の民芸品の店がダーラナ各地に点在しているので、お買物にも忙しくなりそうな地方である。

スウェーデンに来るときはダーラナを訪れてたっぷりとその豊かな民族文化や生活に浸ってみてはいかがですか? スウェーデン人になりきって、ひょっとするとこれまでとは違う自分発見の旅になるかも知れませんね!

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】


ダーラナ・フォークロアフェスティバル メイポールの踊り
ダーラナ・ミッドサマー
モーラのサンタ

 

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ストックホルム公認ガイド 在住25年
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2007.1.16
 街中の宮殿めぐり

古い建物は価値のあるものと思う人が多いか、それとも、時代遅れという意見が多いのか?

いや、そんな事より、土台がしっかりしたものは何百年でも使える事を実証している国に注目してもらいたい。
スウェーデンはモダンデザインと伝統デザインがうまく解け合い、建物も古くて良いものとモダンなものをうまくフュージョンさせている国。

アンティークが集中しているガムラスタン(旧市街)を歩けば、1200年代の教会が2つも残っていて現在も使用されているのを見ることができる。

しかし、古い建物があるのはガムラスタンだけではない。
“街を歩けば宮殿に当たる”と感じるくらい1600年代からの建物があちらこちらに残っていてちゃんと利用されているのだ。
そんな中から今日は幾つかご紹介したい。

「Fersenska palatset」(フェッシェンスカ・パラッツェット) 1634年に海軍将官、提督達の会館として建設され、1798年にはアクセル・フォン・フェルゼン(フェッシェン)公爵邸となった。 マリー・アントワネットの恋人と言われたあの美形の貴族である! 場所は、グランドホテル横の道路を挟んだ左隣に位置する。 現在は銀行がオーナーとなっているが、古い部分の内装の一部は公爵が使っていた時代のまま残してある。 建物の名前もこの時代に「フェッシェンの宮殿」と付けられた。王宮の真向かいに住居を構えられるのは、貴族の中でも最も権力があった証拠である。

グランドホテルの裏側通りを挟んで建っているのは「Baatska palatset」1660‐69年に建立。 現在の王宮を建てた建築家の父親が手掛けている。

セーデルマルムのデザイン通りGotgatan(ヨートガータン)をMedborgarplatsenの方向に下って行くと「Lillienhoffska palatset」(リリエンホッフスカ・パラッツェット)が地下道と広場に挟まれてポツンと建っている。 1670年の建物だ。 モダンな環境に包まれながら違和感がないのは、古い街並みのGotgatanの延長にあるからだろうか。
当時の豪商Joakim Potterが貴族の称号を与えられLillienhoffと改名し、ここに住んでいた。 残念ながら庭園と門は残っていないが、内装は殆どの部屋が昔のままだ。

Gotgatan 16番には、1646‐51年に建設された「Louis de Geers palats」がある。 ランダ貴族の宮殿であったが、現在、その一部がオランダ大使館となっている。

「Spokslottet」(スプークスロッテット)1699‐1701年に建設。 「幽霊館」という意味の建物は歩行者天国Drottninggatan 116番に位置する。 オランダ商人か海賊かと言われた最初の持ち主の遺体が何処かに埋っていて、隠された宝があるはず… その後の持ち主も邪悪な人物だったとか…
現在は王立工科大学の会館になっている。 最先端技術を学んでいる学生たちは、お化けも怖くない訳だ。

この他、まだまだ至る所に宮殿が点在している。 今回ご紹介したのはバロック様式の建物が主であるが、ストックホルムに来られてこの様な建築物を見つけたら、「300〜400年前はこの界隈を馬車が走っていたり、高貴な人々や市民達が行き交っていたんだな−と想像しながら歩いていると、ふとフェルゼン公爵が現れるような気がしませんか?

【ストックホルム公認ガイド 在住25年 牧野 孝子】


Fersenska palatset
Lillienhoffska palatset
Spokeslottet

 

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2007.1.16
 ノルディックジャパンの新ツアーデスクのご案内

今シーズンよりスウェーデン北部のキルナにあるリパンホテルにノルディックジャパンツアーデスクが開設されました。 しかし、名前だけ聞いても、キルナがどんな所かピンと来ない方も多いはず。 ということで、今回はキルナのご紹介をしましょう!

北緯67度84分に位置するここキルナは、スウェーデンで最も北にある北極圏の都市です。
東京都の10倍弱ある広大な土地に約26,000人が住んでいます。

街のあちこちで見かける大きな白い石造。 あざらしですか?と日本の旅行者から時々聞かれますが、違います。 良く見てください!雷鳥です。
市章にも雷鳥が描かれている通り、ここキルナは“雷鳥の街“で、名前はサーメ語で雷鳥という意味の「ギロン」から付けられています。 ちなみに、この石の雷鳥、当初の予定とでは3羽だけ設置されるはずだったのですが、何か手違いがあり(どうやったら間違える?という気もしますが・・・)現在全部で15羽の雷鳥が設置されています。

キルナの一番の産業は鉄鋼石です。 質が高い事として有名ですが、高度技術を駆使した世界でも有数の地下鉱山としても広く名が知られています。 一般にもその一部が公開されており、地下540mまでバスでいく鉱山ツアーも実施されています。 また、鉱山内ではなんとシイタケが栽培されており、市内のレストラン等でキルナ産シイタケを味わうこともできます。

スノーモービル、犬ぞり等のウィンターアクティビティーももちろんお楽しみ頂けます。 また、時間に余裕がある方には、ヨーロッパ最北の鉄道「ノルランストーグ」でノルウェーのナルビクまでの日帰り旅行もお薦めです。 列車がキルナを出ると、どんどん景色が変わっていきます。 途中、アビスコ付近からはU字谷で有名なラポーテン、トルネトレスク湖の大自然を楽しみ、国境を越えてナルビク到着まではフィヨルド沿いに列車が進み、北極圏の美しい景色を十分に堪能して頂けます。

最後に、大切なオーロラの事。ツアーデスクがあるリパンホテルは、街の中心から徒歩10分の場所にあるにも関わらず、遠くへ行かずともご宿泊しているキャビンの前から十分に綺麗なオーロラをご覧頂けます。 また、北の空が開けている展望ポイント(オーロラ劇場)、焚き火を楽しみながらオーロラを待てる小屋(オーロラ小屋)も、それぞれ徒歩10分圏内にあります。 ここキルナにはスウェーデン国立宇宙物理研究所もあり、オーロラの研究もされています。 観測地として科学的にも重要な場所なのです。

少しはどういう所かおわかり頂けましたか?
百聞は一見にしかず。 ぜひ遊びに来てください!

【小原/キルナ現地駐在員】

 

オーロラ劇場
雷鳥
しいたけ

 

 

2006.11.7
 世界遺産ラポニア/ラップランド

スウェーデンの北極圏に入った最初の町はヨックモック。
ここから北西に約9400平方kmに広がるヨーロッパで最大の山岳森林
地帯がラポニアと呼ばれる世界遺産となっている。

この地帯は、限りなく原生林が続き、大きく4つのナショナルパーク
(Sarek, Muddus, Padjelanta, Stora Sjofallets)と 2つの自然保護地帯
(Sjaunja, Stubba)から成り立っている。
ラポニアとは、ラテン語で
ラップランドの意。 このラポニアには山岳地図でなければ地名が載って
いないような所が 沢山ある。

今年7月に訪れたのは人口15人の一族だけで住んでいる小さなサーメ村
貸コテージに入るとキチネットの流しはあっても水道が無い!?
水は外の入口横に置かれたポリのタンクに入っている。 トイレも外だ。
夕食は野外で火を熾してトナカイ肉のグリル。 自然の中で食するのは
ワイルドでメチャメチャ美味しかった !
食事の途中で「水が欲しい」と言うと、「ちょっと待って、直ぐに持って来る」
といってサーメ人は家と反対方向へ・・・バケツを下げて湖の方へ行き、
水を入れて帰って来た。
「え、これを飲むの?」おずおず口にすると冷たくて美味しい〜!

夏でも氷を入れたような冷たさに感激した。
湖の水はクオリティーが落ちないよう定期的に検査されているそうだ。
翌日の昼食はラバレという白身淡水魚のスモーク。 勿論自家製だ。
この魚は一昨日までそこの湖で泳いでいたのだそうだ…

3日間思い切り自然の中での生活を満喫。
地面はブルーベリー(北欧のものは学名ではビルベリー)の絨毯。
踏みつけるのがもったいない思いだった。

このラッポニアを囲むように東側にはヨックモック、イエリヴァーレ、キルナ
そしてアビスコの町がある。
昨年12月には、キルナ、ユッカスヤルビ、
アビスコに行く機会があった。
冬は何といってもオーロラがメイン。
11月下旬にアイスホテルに電話したところ、「今日は零下28℃よ、夜中は
30℃以下になるわね。」これは覚悟して行かないと大変だ。
とにかく装備を整えて出発。 キルナに到着。とてもかわいい街だ。

この町の教会は2001年の「建築の日」に於いてスウェーデンの建築物
ベスト1に選ばれた。 サーメのコータ(テント)をモチーフとした建築様式
は中々印象的だ。 夜の散歩をしていたら雪が降ってきて、キラキラ光る
ダイヤモンドダストを見る事が出来た。

オーロラは、天気が良ければ夜8時頃からがねらい時。 町中の明るい所
は避けて、出来るだけ暗い空が見える所へ行くのがポイント。
ホテルリーパンに泊まる機会があれば、ここは市内から少し外れている
からウオッチングしやすいだろう。

余談だが、このホテルのレストランの料理はグルメ向き。
私も2回ほど(日本では天然記念物の)雷鳥料理を賞味した。
変わったアクティビティーを楽しみたい人は、凍った湖で「氷上サウナ」を
身体が茹で上がる位に暑くなったら外に出て、氷を四角く切り取って
作った湖のプールにドボン?! ではなく、梯子を静かに降りて水で身体を
冷やす。 その繰り返しで肌を鍛えるのが北欧式のサウナ。

ワイルドなアクティビティーは、アビスコのヨッケンという滝のアイス
クライミングがお勧め。 10m余りの凍った滝はそんなに高くないが、
これを登るとなると至難の業。 初心者は30分〜1時間かかるという。
因みに、インストラクターはどれ位かかるか、と聞けば「5分」との答え。
時間を計ると何と本当に5分足らずであれよあれよと登ってしまった!
この凄腕のインストラクターに教えてもらえば、氷の壁も何のその、と
なるか? クライミングの装備はアビスコツーリストステーションで全て
レンタル出来る。

冬の極地は閉ざされた場所ではなく、アクティブで昼も夜もお料理も
楽しめる所。キルナ市内のツーリストインフォメーションに行けば親切
に対応してくれる。独自の楽しみ方で有意義な時間を過ごそう。

 

ラップランドへの入口(門)
キルナ教会
キルナで出会ったオーロラ

 

text & photo by 牧野 孝子
ストックホルム公認ガイド 在住25年
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2006.2.2
 ストックホルムの心、ガムラスタン

ストックホルム市は4つの島から成り立っているが、その一番中心にあり、ストックホルム発祥の地となったガムラスタン(Gamlastan)は、今も王宮が建ち、島の建物は全てが昔のままに残されている。

ここは、ちょうど淡水と海水が交わる合流地点でもあり、王宮側に塩水のサルトシュー、反対側はスウェーデンで3番目に大きい淡水湖、メラーレン湖が広がる。従って色々な種類の魚が生息するのだが、世界広しと言えども、首都のど真ん中、それも王宮の傍で大きな鮭が釣れるのは、恐らくここだけではないだろうか。

現在、王宮には国王御一家はお住まいではなく、王様は郊外の離宮ドロットニングホルムから執務のため王宮までスポーツカーで通勤している。朝と夕方は国王ご夫妻やプリンセス・ビクトリアの出勤、帰宅に運良く出くわす事があるが、こちらから車に向かって手を振ると気さくに笑顔で手を振って返してくれる。

毎日王宮では、12時に衛兵の交代が行われるが、その時のパレードも観光名物の一つ、時として正装した衛兵のパレードや騎馬軍楽隊を見る事も出来るチャンスもある。

ガムラスタンの建物は、一番古いもので500年近く経っており、新しいものでも300年の歴史がある。写真、ビデオ好きな人だったら幾らでも素晴らしい被写体を見つける事ができ、時間を忘れて撮りまくっている人もしばしば見かける。ここはストックホルムの中でも一番の観光の場所とあって、一年中を通じて観光客がやってくる。

メインの通りは、ヴェストラロンガガータンだが、一番ブティックの数も多くレストランもひしめき合っている。しかし、一昔前と違ってケバケバしい土産物屋が多くなり、国籍不明の物が多くなっているのはちょっと悲しい。

良い物や昔ながらの雑貨屋さんを見つけるのだったら、散策方々色々な路地を探検して歩くととても楽しい。運が良ければ住民の人が素晴らしい中庭を見せたりしてくれる。骨董品屋の多いのもここの特徴だが、近年はあまり掘り出し物に巡り会う事が少なくなった。それでも骨董品まではいかなくても、面白いもの綺麗なものを見つける事は容易かもしれない。

歩き疲れたらワインセラーをそのまま利用したカフェなどで一休みはお勧め。ストックホルムのカフェの多くは、おかわりは何杯もOKで、何時間いても文句言われないのが嬉しい。もし、時間があるのなら、最低でも半日はここの観光に時間を取る事をお勧めします。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)






text & photo by 牧野 浩士
スウェーデンの民族舞踊や自然、そして美しい人々に魅せられて、32年目。
既婚で子どもが3人。スウェーデン在住の純粋な日本人家族です。


2005.12.2
 カルマルとガラスの王国

前回は、魅惑の島ゴットランドを紹介したが、そこからフェリーで南に下るとオスカーシャムと言う港に辿り着く。ここからはスモーランド地方と言う大穀倉地帯が広がり、菜の花が咲くころは、大地一面に黄色の絨毯が敷き詰められ、あまりの壮大さに息も止まるほどの風景が展開される。

長靴下のピッピやロッタちゃんで知られる国民的童話作家、アストリッド・リンドグレンの生まれ故郷はすぐ近くにあり、夏のシーズンだけ素朴なテーマパーク「アストリッド・リンドグレン村」が開園されている。

沿岸を南に1時間ほど車で走るとスウェーデンで最も城らしい城がある所として有名なカルマル市に着く。カルマル同盟時代、スカンジナビア三国を支配し、その首都となったこの地は、今もその歴史を感じさせられる雰囲気を持っている。私はこの街がとても好きで、この地方を旅する時は必ずここを拠点に動き回る。その理由のひとつは、この街の旧市街にある主だったレストランを制覇したいということ。ホテルもクラシックな雰囲気やロマンチックな造りの所が多く、手頃な料金で泊まれる。

カルマルのすぐそばにエーランド島と言うスウェーデンで一番長細い島が横たわっており、ここはヴァイキングの遺跡も多く、またスウェーデン王室の避暑地として毎年王室一家はここで夏を過ごす。

そして、ガラスの王国と言われるクリスタルガラスの工場、工房群が散在するのもこの近く。車で内陸の方に走ると大小15以上の工場・工房群が森の中に点在し、車で森や湖を走り抜けてお目当ての工房に訪れるのはとても楽しい。近年、北欧のデザインが注目され、その中でもデザインガラスは上質の作品を多数提供している。

私自身は車で行く事が多いので、数とか重さを気にせずにクリスタルガラスを買えるのだが、有難い事に旅行者の人でも安心して好きなものを買い求めることが出来る。と言うのは、工場直営の多くのブティックが直接日本に送ってくれるので、重いとか割れる心配をせずに買えると言う訳。当然、免税扱いにもしてもらえるので、ちょうど免税分が送料に当てられたりしてとても便利である。

そうそう、これは余談だが、カルマルには日本と同じ種類の栗の木が街路樹にあるのだが、どういう訳かこの街の人は食べられると言うことを知らないようで、秋になると栗が地面に散乱している事が多い。私は拾えるだけ拾って家に持って帰った事がある。勿論その晩は、美味しい栗ご飯を頂いた。

もし、旅行に時間の余裕のある人なら、ゴットランドからカルマルまで旅する事を是非お勧めする。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)






text & photo by 牧野 浩士
スウェーデンの民族舞踊や自然、そして美しい人々に魅せられて、32年目。
既婚で子どもが3人。スウェーデン在住の純粋な日本人家族です。


2005.10.4
 歴史の宝庫ゴットランド〜世界遺産、メルヘンとロマンの島〜

ゴットランド(Gotland)は面積3140平方キロメートルで、スウェーデンの国土の0.8%を占める島。地形は島全体がほぼ平地になっており、海岸線は砂浜が多いため、夏の海水浴には最高の場所となっている。気候は比較的温暖(北欧では)で、スウェーデンのどの地域よりも晴天日が飛び抜けて多い。冬は極寒になることは希で、雪の量が少ないが、時として海から吹き上げてくる風に悩ませられることもしばしばある。それがゆえに、昔は粉引きの風車が林立し、今は風力発電のメッカとして、新エネルギー開発の一翼を担っている島である。

私は仕事で訪れることが多く、あまり長い滞在は毎回出来ていないのだが、いつ来ても飽きない魅惑の島である。かつて私はこの島の観光協会のプレゼンテーション・マネージャーとして、日本へ紹介した事があるが、その時のコピーライトが「バラと遺跡の島ゴットランド」だった。このタイトルは定着し多くのところで使われるようになった。

ゴットランドの中心地ヴィスビー市は、中世ハンザ同盟時代に交易の中継地として栄え、その富は当時のスウェーデン国家財政を遥かに上回るほどであったと言う。さらにその昔はヴァイキングの拠点として栄え、各所にその遺跡も散在する。現在は人口約5万8千人の住むメルヘンの雰囲気が漂う島である。

スウェーデン人は、夏のリゾート地としてここを利用するため、夏はどこもホテルが満室になることが多い。が、他の地域に比べてより四季感があるため、花の咲き乱れる春や紅葉の秋は、静かにゆったりと観光が出来る最高の季節である。特にバラの咲き乱れるバラ横丁は、普通の民家がカフェになったりしていて、童話に出てくるような親切なおばあさんが手作りのお菓子やケーキとお茶で歓迎してくれる。もちろん、昔ながらのカフェやさり気ないインテリアで歓迎してくれるカフェもある。

夏を過ぎると半分以上のレストランやバーは閉まってしまうが、開いている店は地元の常連が通うこともあり、期待を裏切らない美味しい食事と美味しい地ビールを提供してくれる…ことが多い。つまり、たまに外れることもあると言うことだ。あなたの鼻と勘で美味しいところを見つけるのも楽しいかも。

宮崎駿さんのアニメ「魔女の宅急便」には、ストックホルムの街並みが出てくるが、なんとこの島も登場する。さすが北欧好きの宮崎氏、ちゃんとこの島も訪れているんだと感心してしまった。

城壁内の街の中を彷徨うと、まるでタイムスリップしたような錯覚を受けるここが、私はとても好きだ。ゴットランドへのアクセスは、ストックホルムのかなり離れた郊外から出ているフェリー(季節によって高速フェリーもある)か、アーランダ空港からの飛行機がある。フェリーの船旅は安価でお手頃なので、是非時間がある旅ならゴットランドへ足を伸ばすことをお勧めする。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)







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2005.8.2
 世界初のオーロラ・ライブカメラ

80日間に渡るアビスコツーリストステーションの仕事を終え、その打ち上げパーティーでは、日本食を作って皆に振る舞った。メニューは天ぷら、豚の竜田揚げ、トナカイの焼肉、北極岩魚の和風ステーキ、そして椎茸とブロッコリー入り玉子豆腐など。実は、ある材料が当日までにストックホルムから届かず、かなり誤魔化さなければならなかったが、一応味が作れたのでよしとした。ことのほか好評で、あくる日まで皆に美味しかったと言われてとても嬉しい気分になれた。

さて、前置きが長くなったが、この80日間滞在中に色々な出来事があった。何と言ってもビッグニュースは、アビスコツーリストステーションにオーロラ・ライブカメラが設置されることになったことだ。

アビスコに来ると、いつもキルナの王立宇宙物理研究所の山内氏に会いに行く。勿論オーロラ談義なのだが、その日はアビスコツーリストステーションにも彼のオーロラDVDと本を置こうという話になった。するとその話から、研究所に設置しているカメラを最新のモノに替えるため、今のモノをアビスコに設置してみないか、と言う夢のような話になった。

実はこのカメラ、和歌山県・美里町のみさと天文台が設置したものだ。みさと天文台には山内氏が「とても熱心な研究者」と折り紙をつける豊増研究員がおられる。豊増さんは研究熱心な姿勢が評価され、2005年春に小柴昌俊科学教育賞の優秀賞を受賞された。

さて、この話をアビスコの館長プッテ氏に話すと大喜びで、是非設置させて欲しいとの事。山内氏に連絡すると、このカメラは優れもので引く手あまただし確約は出来ないよ、と言われた。しかし山内氏のご尽力で、私が再び研究所を訪れた時には、アビスコツーリストステーションへの貸与が決まっていた。これが実現すると世界で初めて民間の宿泊施設にオーロラ・ライブカメラが設置されることになる。

研究所としても、晴天率の良いアビスコにライブカメラがあると、オーロラの観測率もぐんと上がり、また比較研究も出来るとの事で、話がとんとん拍子に進んだようだ。このカメラはオーロラを写せる超高感度だが、ミッドナイトサンも撮れるため、沈まない太陽をライブで見れる事にもなる。

そして最後に、2005年9月からアビスコツーリストステーションに、私がボランティアでオーロラ・インフォメーションデスクを試験的に開設する事が決まった。私が撮ったオーロラの写真や絵葉書、DVD等の販売も行う。この試みが好評であれば、常時設置していく方向で考えるとの事。いよいよアビスコツーリストステーションもオーロラに本腰を入れる事になりそうだ。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)






写真上:オーロラ(筆者撮影)
写真中:オーロラ・ライブカメラ
写真下:
オーロラ(筆者撮影)

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2005.6.2
 夏のアーキペラゴは太陽がいっぱい

ストックホルムの観光スポットは北欧の中でも群を抜いて多いと言われるが、ほとんどの日本人観光客はストックホルム観光に留まる。日本人で訪れる人が少ないのは、ストックホルムのアーキペラゴ(群島)である。それもそのはず、一日がかりのスケジュールを必要とするし、船で島に渡ってのんびり島の散策や、目の前の海で捕れた魚料理を楽しもうとする人でないと、その楽しさはわからない。

ストックホルムのアーキペラゴの数は約24000と言われ、無人島の数も非常に多い。従って、この島々を周る定期連絡船の数も多く、大きな島と本土との間には無料のフェリーも運航されている。島に別荘を持つ人々の多くは自前の船を持ち、別荘とは別に無人島に船でキャンプに出かけたりする人もいる。

しかし、別荘やヨット、モーターボートを持っている人達が、裕福な家庭かと言うとそれはノーである。ごく普通の家庭の人々が別荘や船を所有する。船の値段は自動車とさして変わらないし、別荘も建売で500平米程度の土地付でも1000万円以内で買えてしまう。多くの人は、土地だけ手に入れて、自分で別荘を建てるから、そこそこの別荘が200〜300万で出来てしまう。

何と言っても夏の島が一番楽しいのは言うまでもない。お天気の良い時は、日光浴を兼ねて、一日中裸で過ごす人も多い。北欧の海水は塩分が少ないため、海をお風呂代わりに使っている人もいる。石鹸の泡がちゃんと立って綺麗に体を洗えるから、日本の海を知っている私には何となく不思議な感覚である。

夏は観光船も多く、それらを利用して近郊のお城やバイキングの遺跡、有名な島のレストランを訪れるのもお勧めである。夏の夕べに運航される蒸気船のクルーズも最高に楽しい。甘エビをたらふく食べられるクルーズは夏の定番で、船には生のバンドも乗っていて、食後のダンスも楽しめたりする。

特に“ジャズを楽しむクルーズ”は私のお勧め。スウェーデンは、知る人ぞ知るジャズのメッカ。50年代、60年代はジャズの黄金期で、アメリカの超一流ジャズマンがこぞってストックホルムでレコーディングした時期があった。ジャズ愛好家の間で、スウェーデンプレスのジャズレコードは垂涎の代物。

ちょっと横道にそれたが、ノスタルジックな蒸気船で楽しむクルージングの夕べでは、美しいアーキペラゴを眺めながらの美味しい食事と、心地よい音楽が味わえる、最高の贅沢。高いと思われそうだが、1万円もあったらお釣りが来る事が多い。ただしお酒は高いので飲み過ぎると財布が空っぽになるかも…。

もし時間があれば、島巡りがお勧めだ。気に入った島で下船して散策してみては。夏だけ開いている手工芸品の店や、別荘の庭を開放したサマーカフェでのお茶をどうぞ。手作りのパイやお菓子もあって、感激する事請け合いだ。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)






写真上:港にて
写真中:別荘とヨット
写真下:美しいサンセット

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2005.4.4
 民族文化のメッカ、ダーラナ地方

私が年に何度も訪れるのがダーラナ地方である。スウェーデンでも一番のリゾート地としてスウェーデン人に親しまれている土地であるが、ここは、お隣のヘルシングランド地方などと並んで、民俗音楽と民俗舞踊の盛んなところでもある。ここでは、楽器を演奏するか、踊りが踊れないとバカにされると言う土地柄。伝統工芸も他の地方に比べてとても盛んである。

ダーラナ地方の中でも、古代に隕石で出来たと言われるシリアン湖周辺は、一年を通して観光客が訪れる風光明媚なリゾート地であり、別荘の数も非常に多い。ここでのお勧めは何と言っても夏至祭の盛り沢山の行事だろう。本当の夏至祭を見たければ、ダーラナに行けとよく言われるのは、決して嘘ではないと思う。

夏至祭は、スウェーデンで最も重要な行事の一つ。この行事の発祥の地はドイツと言われ、中世にスウェーデンへ移民してきたドイツ人が故国を懐かしんで、始めたものだと言う。ドイツでは5月に行われたが、気候の厳しいスウェーデンでは、6月にならないと緑が豊かにならないため、6月に祝うようになった。

夏至祭は前夜祭が最も楽しい。マイ・ストングと言う独特のポールを立てて、その周りで輪になって老いも若きも踊りを楽しむ。ダーラナ地方では各村によってこのポールの形が違い色々な飾り付けがされるが、五穀豊穣を願い、男女の性をシンボル化したと言われている。

昔からこの日は、昼間摘んだ七草(花)を枕の下に敷いて寝ると、その時夢に現われた人と結ばれると言う言伝えがある。他の地域では、1日で行事が終わるが、ここシリアン湖周辺では4日間も大小の夏至祭が行われる。ダーラナではこの日を境に各地でフェスティバルやコンサート、そしてダンスの夕べが開催され、楽しい夏のシーズンが始まる。

しかし、ダーラナの楽しさは自然が豊富な事もあって、ブルーベリーやクランベリー採り、釣り、サイクリング、トレッキング、パラグライダーと数え切れないほどのアウトドアが楽しめる。また、紅葉の秋も静かなダーラナを満喫できるし、クリスマスの時期のシリアン湖周辺は、メルヘンの世界に包まれる。大小のスキー場も点在してスキーだって楽しめてしまう。

忘れてはいけないのがサンタワールド、夏とクリスマスの時期にだけ開園するここは、意外と日本では知られていない。トムテやトロールそして魔法使いと楽しいひと時を過ごすのもお勧めです。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)






写真上:ダーラナ夏至祭
写真中:ダーラナ地方のゲースンダにて
写真下:サンタワールド

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2005.3.2
 風の谷のオーロラの里・アビスコ

私がアビスコを紹介する時に言う言葉が「風の谷のオーロラの里」。いつも良い風が吹いてオーロラの一番よく見えるところとして、ここにいつかオーロラ観測所を立てることが私の夢でもある。

夏は、夜がなくなる白夜の日が2ヶ月近く続き、午前0時になっても太陽が輝く自然は、北極圏ならではの自然現象である。

アビスコは昔、キルナの鉄鉱石をノルウェーのナルビックまで運ぶ鉄道の建設基地として開拓され、その後、夏のレクリエーション基地として発展、全長400km以上に渡るトレッキングコース「王様の道」は、百年もの昔からこの地を出発点、終着点として多くの人々で賑わう。

アビスコは、北極圏の奥地にもかかわらず、世界的に有名な植物学者リンネが、ここの谷を植物学研究のフィールドとして弟子に植物採取をさせており、千種類以上の新種珍種の植物を発見しているユニークな場所である。その貴重な自然を守るために国立公園に指定されたが、その美しい景観を体感するために訪れる人々は、掛け値なしに素晴らしい感動を味わえる所である。

周りを山に囲まれ、トルネコと言う大きな湖を抱えたアビスコは、北欧で最も晴天率が良いところとして知られている。晴天率が良いと言うことは、星空が見える日が多いということで、それは取りも直さずオーロラの観測に最適な地となっている。また、ここはオーロラオバールの真下にあたり、所謂オーロラの通り道になっている。私も1年半に渡って関わったNHKの南極プロジェクトは、ここアビスコをオーロラ同時生中継の地点として選んだ。

夏は、トレッキング、釣り、白夜の体験、秋は、釣り、ブルーベリーやキノコ採り、そして、オーロラのシーズンの始まりでもある。冬から春は、スキー、氷上釣り、犬ぞり、そしてオーロラと、アビスコは1年を通してアウトドアを思う存分楽しめる場所である。

アビスコの地域には大小4つの宿泊施設があり、予算に応じて泊まる場所が選べる。今年は、私もオーロラ観測の傍らアビスコツーリストステーションと言う施設でアルバイトをしているので、もし、見かけたら気軽に声かけて下さい。勿論、オーロラガイドの仕事もしてますので、必要であれば、喜んでご案内致します。

(牧野 浩士/スウェーデンの自然を愛する何でも屋)







text & photo by 牧野 浩士
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