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フィンランド便り バックナンバー
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2009.08.04

 フィスカルス・ヴィレッジ

ヘルシンキから約100km西へ行った所にフィスカルスという小さな村があります。

よ〜く切れる、もち手がオレンジ色のはさみなどのメーカーとして有名な「Fiskars社」は1649年に、この小さな村に設立されました。

現在では、小さな村に工房やフィンランドデザインのショップが並び、かわいらしい素朴なデザイン村になっています。そこに居住しているクラフトマンたちもいて、フィスカルス・ヴィレッジとも呼ばれています。

村の中に一歩足を入れると、清々しい空気の中、小鳥のさえずりが聞こえます。ゆっくり歩いて行ってみましょう。ヘルシンキ大聖堂を設計したエンゲルも設計に加わっていたと言う、1826年に学校として建てられた、時計塔のある古い建物の中にはモダンなフィンランドデザインショップがいくつも入っています。

フィンランドの厳しい気候ならではの、冬が楽しくなるアイデア一杯の洋服やマフラー、帽子、靴。質の良いキャンドル、そしてアクセサリーや木製の小物などが、緑に囲まれた静かな村に、ひとつひとつが丁寧に作られた作品として販売されています。天気が良いと敷地内の芝生の上で帽子などを売るフリーマーケットも楽しむことができますし、村の中にはギャラリーもあり、随時テキスタイルや陶器、絵画など様々な展示が行なわれています。

もちろん「Fiskars社」の販売店もあるので、園芸用やキッチン用の少し変わったデザインのはさみを見るのも、楽しいデザインの勉強になります。魚の調理に便利なはさみも売っています。左利き、右利きどちらの人も使える両手使いの便利な調理ばさみは、これ一本で鱗も、えらも取り除けます。このはさみと同社のナイフのお陰で、面倒臭いと思っていたお魚の3枚おろしも手軽になりました。鶏肉用の調理ばさみもあります。鶏肉や魚の絵が描かれたペーパーボードを付けて販売していますので、皆さんもこの便利なはさみをすぐに見つけられますよ。

ショップを一通り見てから、もう少し村の奥までのんびり歩いて行くと、木製家具の会社「 Nikari(ニカリ)」の工房があります。工房見学をいつもにこやかに迎えてくれる社長であるカリ・ヴィルタネンさんは、素材にこだわって、じっくりと良い物を追求するという姿勢の、生粋のクラフトマンでありデザイナーでもあります。日本でも何度か展示会に出展した経験があり、日本とは通じるものがある、と柔和な顔で話してくれました。

フィスカルス・ヴィレッジへのアクセスは、ヘルシンキ中央駅から電車で約1時間。Karjaa(カルヤー)駅で下車。そこから15km程ですが、バスよりはタクシーが便利。日帰り旅行に最適なスポットです。ヘルシンキから少し足を伸ばしたい方は、森の中にあるフィンランドのデザインショップまで、ちょっとした小旅行をお楽しみください。

【レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL】

text & photo by レンミッキ
ワーキングマザーとして、フィンランドの育児支援制度にはいつも感謝!
10年間いた会社では、2人の子どもで約5年の出産・育児休暇を謳歌。

Nikari工房内
Nikari工房内
カリ ヴィルタネン氏デザインの椅子
カリ ヴィルタネン氏デザインの椅子
フリーマーケットの帽子
フリーマーケットの帽子
フリーマーケットの帽子
時計塔のあるレンガの建物
 

2009.04.01

 「カレワラ」展

ヘルシンキ中央駅の斜め前には、堂々とそびえる国立アテネウム美術館があります。現在、この美術館で、「カレワラ」の絵画展示が開催されています。「カレワラ」は、フィンランドの吟唱詩人たちによって伝承されてきた詩が、医師エリエル・ロンノルト(1802−1884年)によって収集・編纂されてできた民族叙事詩です。天地創造から戦いや恋愛、死などが詩によって語られているこの叙事詩「カレワラ」が1849年に出版されてから、今年は160年の記念の年に当たるため、開催されています。

今回の展示は、これまで常設展示をしていた「カレワラ」を代表する絵画に加え、油絵から水彩画、グラフィック、写真など約60人の芸術家の作品を集めています。
フィンランドを代表する画家アクセリ・ガッレン・カッレラ(1865−1931年)による絵画「アイノ」は、最も良く知られているカレワラの一場面ですが、カレワラの主人公とも言える老人ヴァイネモイネンの求婚を拒むアイノが、ヴァイネモイネンの妻となるよりは、いっそ海の中へ、と入っていくところです。この絵のモダン版と言える絵も展示されており、一瞬ぞっとしますが、見ごたえがあります。

アルベルト・エーデルフェルト(1854−1905年)は、多くをパリで過ごしていた国際的画家で、アクセリ・ガッレン・カッレラのように民族的な画家ではありませんでしたが、1893年には吟唱詩人であった「ラリン・パラスケ」という女性を描いています。「カレワラ」には度々、フィンランドの民族弦楽器「カンテレ」が描写されていますが、「カレワラ」によれば、最初のカンテレは、魚のカマスのあごの骨で作られたと言うことで、その絵も展示されています。

アテネウム美術館内のミュージーアム・ショップでは、「カレワラ」に関する様々な本が販売されています。サンタクロース・シリーズでお馴染みの絵本作家マウリ・クンナス(1950年―)による絵本「カレワラ」は、登場人物が犬で描かれており、英文でも出版されていますので、むずかしい詩が苦手な方には、こちらもお勧めです。またフィンランドを代表する作曲家、シベリウスによる「カレワラ」の一場面である「トゥオネラの白鳥」などのCDも販売されています。

館内をひとまわりして疲れたら、コーヒーショップで一休みして、日替わりランチを楽しむのも良いでしょう。フィンランド民族の叙事詩であるだけに、小中学生の見学も多く、絵画鑑賞の傍ら、熱心に美術館員の話しを聞いている引率の先生と、後ろの方でつつき合っている生徒たちを見るのも楽しいですよ。最後に、正面入口から左側の展示室には、10人のモダンなアーティストたちの、彼らの視点で「カレワラ」を表現した作品が展示されています。また、やはり10人の現代音楽家が、この160年を記念して、カレワラをイメージした音楽を作曲しており、これらの曲を同展示室でヘッドホーンで聴くことができます。目をつぶって、あなたなりの「カレワラ」を想像してみてください。

アテネウム美術館前には、人工スケート場がまだしばらく設営されていますので、叙事詩をたっぷり味わったあとは、壮大なアテネウム美術館を前にスケートを楽しむのも乙な旅となることでしょう。
「カレワラ展」は8月9日までなので、夏休みに旅行計画をされている方も、まだ充分間に合います。月曜休館、入場料8ユーロ、18歳以下は無料。

【レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL】

text & photo by レンミッキ
ワーキングマザーとして、フィンランドの育児支援制度にはいつも感謝! 10年間いた会社では、2人の子どもで約5年の出産・育児休暇を謳歌。

チケット売り場
マウリ・クンナスの「カレワラ」
クルーズ船
アテネウム美術館
カレワラの本
アーケフス城
人工スケート場
 

2008.12.22

 ニーナのクリスマス・ジンジャークッキー

さぁ、今年もフィンランドの一番大切な行事、クリスマスが間近となりました。街中は、クリスマスイルミネーションの他に、クリスマスカラーの赤と緑で一杯となり、シンプルながら華やかになります。11月下旬から、各企業はPikkujoulu(ピックヨウル)と言う、スモールクリスマスを催します。社員対象のものから、得意先の顧客を招くものまで様々。ヘルシンキ中心のエスプラナーディ通りでは、アラビアやマリメッコなど、店内で温かいクリスマスドリンクGlogi(グロギ)を振る舞うショップもあるので、是非、行ってみましょう。クリスマスドリンクを頂く時は、横に置いてあるレーズンとアーモンドを入れるのをお忘れなく。
このクリスマスドリンクに必ずつきもののお菓子がジンジャー・クッキー。この時期、各家庭では、週末などにオリジナルのジンジャー・クッキーを子供たちと作りますが、友だちと一緒に作ると、もっと楽しいものです。各家庭の味がそれぞれあり、皆「うちのママのジンジャー・クッキーは世界一おいしいの」とご自慢です。今回は、皆さんに、友人二―ナのレシピをご紹介します。

ジンジャーシロップ100cc、ホワイトシロップ200cc、砂糖 1カップ、シナモンパウダー 大さじ2、クローブ 小さじ2、バター250g、卵2個、ベーキングパウダー 大さじ1、小麦粉1,1リットル

1. シロップを鍋で沸騰させ、砂糖、シナモンパウダー、クローブ、バターを加える。
2. バターが溶けたら、鍋を火からおろし冷ます。
3. 鍋に卵2個を木べらで混ぜる。
4. 最後に小麦粉を少しずつ加えていく。
5. 出来上がった生地を冷蔵庫で一晩寝かす。
6. 適当な分量の生地を取り、めん棒で約50mmの厚さにのばし、人型やクリスマスツリーの型など、好みの型で抜いて、天板に並べる。焼き具合がまちまちにならないように大体同じ大きさの型にする。
7. 200度のオーブンで5分焼く。

如何ですか?これで100個位のジンジャークッキーができるとのことですが、作り方もかなり大胆で簡単でしょう?ブルーチーズを少し入れると大人の味に。ムーミンファミリーのクッキーの型も、ムーミンショップなどで販売されています。皆さんも是非、世界一おいしいジンジャー・クッキーを作ってみてください!

【レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL】

text & photo by レンミッキ
ワーキングマザーとして、フィンランドの育児支援制度にはいつも感謝! 10年間いた会社では、2人の子どもで約5年の出産・育児休暇を謳歌。

トナカイの型も
トナカイの型も
子供は焼く前の生地を食べるのが大好き
子供は焼く前の生地を食べるのが大好き
仲良しTiiaとSaaga
仲良しTiiaとSaaga
TiiaとSaagaが飾り付けました
TiiaとSaagaが飾り付けました
 

2008.10.17
 フィンランド・デザインを楽しもう!

毎年、秋にはヘルシンキ・デザインウィークが開催されます。今年は9月25日から10月6日までの12日間、ヘルシンキ市内各地で、様々な催しものが行われました。メイン会場は、フィンランドで初めて設立された電話回線の海底ケーブル会社「Kaapeli tehdas」の工場跡地です。地下鉄終点駅のRuoholahtiから市電でひとつ目の停留所で下車し、歩いて2,3分です。地下鉄駅からでも徒歩で運河沿いをいろいろなヨットを見て歩いて行くと、決して遠くありません。このイベントの中で、旅行者にとっても嬉しいのは、フィンランド・デザインのショッピングを楽しめるデザイン・マーケットです。今年は9月27、28日に開催されKaapeli tehdas内の大ホールで、フィンランド各地からのデザイナーたちが、所狭しと自分たちの作品や製品を並べていました。椅子や照明器具などもありますが、ファブリック、かばん、小物・アクセサリーに加えて、読み終えた新聞紙などを収納するペーパーラックやちょっとしたアイデア商品など、スーツケースでも持ち帰ることができるサイズが殆どです。コートやスカート、Tシャツなど、少し勇気があれば、上手に着こなせそうな洋服も多く並んでいました。また、アラビア陶器のデザイナーTapioWirkkalaがRosenthal社にデザインしたアンティーク陶器など、ヘルシンキではなかなか見つからない掘り出し物も、地方からの出展でありました!デザイン・マーケットを訪れている人たちは、デザイン関係者だけでなくベビーカーを押しながら来ている一般の人たちや、外国人も多いので、臆することなく、楽しく歩き回れます。

10月1日からの3日間は「Show 100」が同会場で開催され現在売れっ子のデザイナー、Klaus Haapaniemiなどのデザインを見ることもできます。そこでは、家具、照明などの一般的なデザインだけではなく、ヘルシンキ芸術デザイン大学のデザインコンクールでの優勝作品でもある歯磨き粉の容器のデザイン、マリメッコの「Jaakarhu」やアラビアの「Taika」などのデザインで知られているKlaus Haapaniemiによる、化粧品会社「Herbina」のデオドラントの容器など、意外な製品のデザインを目にすることができます。また、2日の夜には「ペチャクチャ・ナイト」という催しがあり、デザイナーたちが、自分の製品、アイデアなどを紹介しました。これは、若手デザイナーが20枚のスライドを見せながら、6分40秒でプレゼンテーションをし、お互いの仕事を紹介していくもので、日本語の「ぺちゃくちゃ」という意味が基になっています。現在では世界約100カ国で開催されていて、フィンランドには、ヘルシンキ・デザインウィーク主催者が取り入れました。
 こんな風に、盛りだくさんのヘルシンキ・デザインウィーク。
来年は、みなさんもこの時期に合わせて旅行計画を練り、是非、フィンランドのデザインをお楽しみください。お待ちしております!

【レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL】

text & photo by レンミッキ
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ヘルシンキ大学図書館
Brummer&Brummer, Tapio Wirkkala
デザインのアンティーク
声
Everyday Design 
新聞紙などを収納できるペーパーラック
優しいマルヨ先生
タンペレからOma Shop
エストニア人のケルトゥ
トゥルクからの出展KLO Design
エストニア人のケルトゥ
OKRA LiinaLommiの
フェルトデザイナー、Karoさん
 

2008.8.28
 ヘルシンキ夏期大学

フィンランドの大学は5月末で学年末を迎え、新学期は9月から始まる。しかし、ヘルシンキ大学構内は閑散とするわけではなく、約3ヶ月の夏休み期間中にも学生の姿が見える。学生たちは、通常の学期と違って様々。高校生から社会人、定年退職者、そして多くの外国人がいる。学ぶのは学生だけの特権ではなく、多くの社会人も参加できる、成人のための生涯学習が充実しているフィンランドだが、短期間の夏期大学の充実ぶりも素晴らしい。講座数は500にも及び、教師のレベルも高い。文化・音楽・芸術分野はもちろんだが、その他に社会福祉関係や「話し上手な上司になろう」、「上手なストレス解消法」などというビジネスに関する講座も多い。そのうち、言語コースは23ヶ国語もの選択がある。各言語、読み書きだけの習得ではなく、レベルに応じてビジネス会話、電子メールの書き方など、幅広く様々な講座がある。

「外国人のためのフィンランド語コース」も入門から上級まで、いろいろレベルがあるが、今回は、「フィンランド語文法講座」にお邪魔してみた。受講対象者は、「どちらかの親がフィンランド人である人、または同程度にフィンランド語を習得している人」となっている。講義は朝9時から13時までびっしりで、週4回で3週間。受講料は90ユーロ(約15000 円)だ。今年のこの講座に参加しているのは、スウェーデン系フィンランド人(国籍はフィンランド人だが、母語はスウェーデン語)、エストニア人、ロシア人、トルコ人、ドイツ人、フィリピン人、カナダ人と、様々な国からやって来ている。フィンランドに在住している人が殆どだが、中には、母親がフィンランド人で父親がドイツ人なので、毎年、夏だけ、フィンランドのサマーコテージで過ごすという、ドイツ人翻訳家もいた。フィンランド語は格変化が15個もあるので、単語の原形を覚えるだけでは、きちんとした文章が成り立たない。ここが、大変な苦労なのだ。エストニア語は、フィンランド語と同じフィン・ウゴル語系で、意味は違うが、全く同じ発音もあって、エストニア人のケルトゥさんには、むずかしいフィンランド語もやさしそうだ。ケルトゥさんは、トルコ人のご主人と母国エストニアで出会い、ご主人が勉強しているヘルシンキに、彼女も移り住んだと言う。「フィンランド人は、私の名前を皆”ケルトゥ”と呼ぶけれど、エストニア語では、”ケルトゥ”と発音するのよ。」と発音の違いを披露してくれたが、私には、その違いがさっぱりわからない。

尊敬語があまり顕著ではないフィンランド語。少なからず敬語がある言語の国から来た人たちにとっては、初対面で、あまりにラフな話し方だと失礼な気がして、こんなぞんざいな言い方していいのかな・・と思うこともしばしば。スイスに30年近く住んでいたと言うフィンランド人のソイリさんは、初対面でも年上でも、お店の買い物客にも「モイ!」と言う、友達言葉の挨拶にいつも驚くと言う。「あれは、一体何?もっと丁寧な言い方はないの?」と不満げに教師に聞いている。トルコ人は先生をファーストネームではなく「先生」と呼んで質問し、ロシア人は、先生に質問する時や、自分が答えを間違うと、その都度「すみません」と言う。もし、フィンランド人が教室にいれば、一体、誰に、そして、なぜ謝っているんだろう、と不思議がるかもしれない。フィンランド人だけの授業風景とは、やはり違う。
休み時間中に廊下に出ると、様々な国の人がいろいろな言語で立ち話をしている。お腹の大きい女性に、別の女性が英語で話しかけた。「今、何ヶ月?」「8ヶ月半。もう、いつ産まれてもおかしくない時期よ」「男の子、女の子、どっち?」「女の子」!!
申し込みは4月から始まるので、来年は皆さんも挑戦しては如何?

ヘルシンキ大学図書館
ヘルシンキ大学図書館
声
文法コース受講者一同
優しいマルヨ先生
優しいマルヨ先生
エストニア人のケルトゥ
エストニア人のケルトゥ

text & photo by レンミッキ
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2008.5.15
 母の日はムスティオンリンナで

5月1日のヴァップ(メーデー)は、フィンランド人にとっては労働者の日というよりも、長い冬を越して、やっとやってきた春の訪れを意味する大きな春の祭典である。この日を境にあちこちの夏季限定の博物館や遊園地などがオープンする。

ヘルシンキより西へ80kmのMustion linnaにあるマナー・ハウスも夏季限定でオープンする小さな博物館だ。1561年、スウェーデン国王グスタフ・ヴァーサの命により、フィンランド初の製鉄所がMustioに設立された。1700年代に、フィンランドで最も裕福であった人のひとり、ビジネスマンのLinder氏の手にわたり、1792年にはマナー・ハウスが建てられた。3度人手にわたったのち、再びLinder家に戻り、現在は博物館として一般の人も入館できる。一時間ごとにLinder家の人である婦人が館内ガイドをしてくれるのだが、大変生き生きと説明してくれ、歴史への興味がわいてくる。

この博物館は、木造のマナーハウスとしてはフィンランドで最も大きく、またフィンランドで初めて二重窓を設置したという建物である。当時のガラス作りは、ガラス吹き職人による手作業のため高額であったことと、ガラス税をスウェーデン国王に支払わなければならなかったことから、50枚以上ある窓ガラスを保持することは、余程裕福でなければできないことであった。

Mustion linna敷地内には、ホテルやサマー・シアターの他に、フィンランドに初めて持ち込まれた乗用車の一台の車庫となった建物がある。当時の館主が、パリで使われていた中古車を、運転手付きで買い取った。この建物は、もともと馬車の倉庫として、全く同じものが2つ建てられたが、現在、この建物のひとつは、会議場やセミナー室として利用され、もうひとつはレストランとなっている。

今年は5月11日であった母の日を、このレストランLinnankrouviで祝ってもらった。母の日は、どの家の庭にも、どこの街角の建物にも白地に青い十字の国旗が掲揚されていて、国を挙げて母に敬意を表してくれているようで、とても嬉しい。レストランに入ると、ウェイターから赤い素敵な一輪のバラの花を贈られ、照れくさいながらも母としては、ますます嬉しくなった。食後は、緑の木立の中での散歩をゆっくりと楽しむことができる。湖上のシンプルな木橋を渡っていくと、途中に簡素なベンチがあったので座ってみた。木橋を渡っていた時の湖水の音が消え、鳥の声しか聞こえない。青空にぽかぽかと浮かぶ低い雲を見ていると、のどかな気持ちになる。白樺の林では、その形が似ていることから「ねずみの耳」と言われる小さな新葉が、風にそよめきながらキラキラと日に輝いていて、実に美しく、清々しい。素敵な母の日となった。

Mustion linnaから車で30分程の所には、はさみなど「Fiskars」のブランド名でも知られているフィスカルス・ヴィレッジがある。フィスカルス・ヴィレッジ観光のあとにMustion linnaまで足を伸ばし、敷地内のアットホームなホテルで一泊するのも良い。Mustion linnaへは、ヘルシンキから列車で約1時間、Karjaa駅下車。そこから17kmタクシー。今年の開館期間は5月2日から8月31日まで。月曜休館。入館料は9ユーロ。
緑に囲まれてのんびりと過ごしたい新婚カップルやシルバーカップルには、特におすすめである。

春間近の証拠写真
母の日の国旗
植物園内の園芸ショップ
Mustion Linna・マナーハウス
The Royal Danish Play House
母の日のメニュー
きのこパイにスモークステーキ
今月の男子学生
車庫
今月の男子学生
湖上の橋と噴水

text & photo by レンミッキ
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2008.3.18
 氷上で、ようやく冬満喫!

今年の冬は本当に雪が降らなかった。
気温が零下になった日も、例年に比べれば数えるほど。子供たちが通う学校の体育の授業課目となっているスキーやスケートも毎回中止。雪だるまを作っても、翌日には、鼻にしたニンジンが、茶色くなった地面にポトンと落ちている有様。3月に入った今頃になって、ようやく氷点下が続き雪も積もったが、これもいつまでもつか、わからない。雪のない冬だなんて、全然フィンランドらしくない。

かくなる上は、ちゃんとした冬を味わいたいと、北へ足を伸ばし着いた所は、中央フィンランドにある人口1600人の町、カンノンコスキ。ヘルシンキから380km北にあり、大学の町ユヴァスキュラからでも100km北。カンノンコスキは、フォード所属の世界トップレベルのラリー・ドライバー、ミッコ・ヒルボネン出身の町でもある。

ヒルボネンは、つい先日の世界ラリー選手権、コロナ・ラリー・メキシコで4位を獲得。今後の活躍が期待されるドライバーである。この町の少し手前の湖では、この日、氷上ラリーが催されていた。パトカーも湖の真ん中で駐車していたし、救出用消防車も待機していたが、緊迫している様子もなく、練習しているのか遊んでいるのか、湖上でくるくると回転させている車もあって、のどかな雰囲気である。

世界レーサーはこんな氷上運転から生まれるのだろうか、と思う。さて、この小さい町でも氷上ラリーだけでなく、思い切り冬のスポーツが楽しめる。クロスカントリースキーはもとより、スノーモービル、アイスフィッシング、刺し網ならぬ氷上刺し網とでも言おうか、そんな魚獲りまで楽しめる。カンノンコスキに代々住むハーパヨキさん一家は、そんな冬を、ごく当たり前の生活として過ごしている。夏にはボートで行くサウナ小屋に、冬になると、父親のレイヨさんはスノーモービルで、母親のリーッタさんはクロスカントリースキーで、そして子供たちはシベリアン・ハスキー犬を散歩がてら連れて歩いて行く。

今年の夏には、湖畔に建つ3つ目のサウナとなる、スモークサウナを建設する予定だと言う。フィンランドの徴兵制度のため、大学生でありながら兵役中のタピオ君は、週末は自宅に戻り、ATV(四輪、クオード)のバイクで広い庭や凍った湖の上を運転して周ったり、冬道のドライブを仲間と楽しんだりする。中学生のマイアちゃんは、冬でも馬場に足を運び、乗馬を楽しむ。ここなら、森の中だけではなく、一般道をものんびり乗馬できるので楽しいと言う。タピオ君は、湖の氷上を、大きなそりに4人を乗せてスノーモービルで引っ張り、魚網をかけた目印の場所まで連れて行ってくれた。

目印の木の枝以外は、白銀一色。そりに乗り切れなかった大人たちは、とことこと氷上を歩いてくる。氷上に開けた2つの穴の間に張った湖中の網を、片方の穴からをするすると引き寄せる。何匹の収穫かと、わくわくして待ってみたが、かかっていたのは、スズキが一匹だけ!それでも、今年の冬は氷が薄く、ヘルシンキの海では歩くのも不安だっただけに、氷上で思い切りスノーモービルを運転することができて、大満足!


タピオの四輪バイク
タピオの四輪バイク
アイスフィッシング
アイスフィッシング
うまく網がとれるかな
従兄弟がスノーモービルで挨拶に
従兄弟がスノーモービルで挨拶に
湖上を皆それぞれに湖畔のサウナへ
湖上を皆それぞれに湖畔のサウナへ
そり
そり

text & photo by レンミッキ
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2008.2.12
 真冬の湖へ飛び込もう、アヴァント!

サウナから湖にドボン!
これはフィンランドの夏の醍醐味。けれど、湖で泳ぐのは夏だけではない。気温が低い真冬だって、フィンランド人はサウナがあれば、湖水の冷たさもなんのその。凍った湖に穴を開けて泳ぐのも、これもまたサウナの醍醐味。真冬の凍った海や湖に穴をあけ、サウナから出てほんの一瞬ドボンと身体全体で水に浸かる。

これをフィンランド語で「アヴァント」と言う。血行を良くするので健康にも良いと、肩凝りや筋肉痛の人などには医師も勧める。

ヘルシンキでは湖ではなく、海になるが、夏場は若者の海水浴客で賑わうヒエタニエミ海岸では朝6時からアヴァントをオープン。但し、ここは会員制をとっている。地下鉄で行く東方面のラスティラ・オートキャンプ場にあるアヴァントは、市営で、5ユーロの入場料を支払えば誰でも入ることができるが、男女別の利用時間が決められているので、確認してから行こう。ラスティラのアヴァントからは、その区間だけ地上を走る地下鉄を眺めながら寒中水泳ならぬ、アヴァントを楽しむこともできる。

空港のあるヴァンター市ではクーシヤルヴィ湖でアヴァントをやっている。ここはアヴァントとしては、フィンランドで一番大きく、レストランやセルフサービスのグリル場もあり、家族連れでアウトドアライフを一日中楽しめる。ノルディック・ウォーキング用ストックのレンタルもあり、正しいストックの持ち方などを指導してくれる。電気サウナは平日・週末とも12時〜19時オープン。スモークサウナは月・水・金の15時〜19時30分。料金は電気サウナが6ユーロ、スモークサウナは12ユーロ。

さて、私も今年初のアヴァントへ。
サウナで思い切り体を暖めて、帽子をかぶりビニール靴をはいて海岸へと向かう。「さぁ、いくぞ〜」気温はマイナスではなくてプラスだし、少しだけ積もっていた雪も殆ど溶けている。
水温も、例年の1月に比べれば・・と思いながらも、おそるおそる足首をのばしたり、引っ込めたりしていると、「考えないで、ホラ!ばしゃんと入ればいいのよ」と元気なおば様たちに言われた。
「ええぃ、ままよ」と目をつぶって一気に肩までつかり、一瞬にして飛び出す。皆が「ヒュヴァ、ヒュヴァ!」と笑った。「ウ〜、ブルブルゥ〜」とサウナへ急ぐ。
それにしても、水から上がった時の爽快感は何と言ったらよいか。そして水の冷たさから熱〜いサウナへ入った時の温度差を、肌が感じる一瞬、これは夏の水泳とはまた違う、なんとも言えない心地良さ。

ただ、今年は昨年にも増して暖冬。例年なら、真っ白な雪一面の中、一箇所だけ穴があいている所に入るのだが、今年のヘルシンキでは今までのところ、まだ海面が凍っていない所が多く、積雪もないので、アヴァントの穴を開けずとも、どこからでも入れる。

気温がプラス5度の日、フィンランド人の友人に「週末にアヴァントに行かない?」と誘ったら、「冗談じゃない、こんなに寒いのに!」と言われてしまった。

【レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL】

医師も勧めるアヴァント
写真提供:Suomen Latu_.jpg
地下鉄で行くアヴァント
夏とは違う心地よさに破顔一笑
真冬のサウナの楽しみ方

text & photo by レンミッキ
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2008.2.12
 人気ツアーの舞台裏

2008年の初日の出を1月15日に遅ればせながら迎えた。
ある気象情報によると、9日に「初日の出」となり、34分間ほど地平線より上に太陽が昇るはずだったが、丘に隠れたり、雲が邪魔してお目にかかれなかった。実に約一ヶ月振りの再会である。

ここサーリセルカに冬の数ヶ月間、駐在するにあたり、親しい友人や、居酒屋としばしの別れもそれほど苦ではないのだが、これほど再会待ち遠しいものは他にあるだろうかと思うくらい待ちに待った再会であった。
お天道様とは誰が言い始めた言葉なのか分らないが、そこから発せられた紫外線B波は遥々地球に届き、骨格を助長するビタミンDの生成をもたらしてくれる。

更に動植物の成長を助ける等々だが、欲の深い私は更にお願いをしていることがある。それはオーロラである。

冬至を過ぎ初日の出を迎えた後のこれからの季節は、日増しに日照時間が伸びて、晴天の日はとても清々しい気分にさせてくれるお気に入りの季節の始まりだ。
太陽が昇らないいわゆる極夜の時期は真っ暗と思われがちだが、刻々と空の色を変える北極圏マジックは一見の価値あり。それはそれで良いのだが、やはり太陽光が不可欠だ。

ちなみに今日と明日の日照の差は9分38秒。
日本では考えられないくらいにどんどんと明るさを取り戻すのである。そんなウィンターリゾートでの人気オプショナルツアーはズバリ犬ぞり。アウトドアアクティビティーではトナカイぞりと並び人気を誇る。その犬ぞりの立役者となるのがハスキー犬たち。
操縦方法は至って簡単で、出発前に日本語による案内があるので心配はご無用。しかし侮ることなかれ。走りながら後ろを振り向くハスキー犬たちは何かのメッセージを運転者に発しているのだ。

もしそのメッセージに応えることができなければ信頼関係は築けない。彼らにとってきつそうな上り坂があればはソリを押して手伝ってあげないと、きっと機嫌を損ねることだろう。もし下り坂があればソリが彼らに追突しないようにブレーキを掛けるのが役目。

ハスキーファームで数百頭という規模で飼育されている犬種はシベリア、グリーンランド、アラスカンが中心。各々に名前が付けられており、専用の住居も持つ。また名前に続いて記されている数字は、与えられる餌の量を示しているそうだ。
そんな彼らは前夜のうちに受けたオーダーに合わせて数百頭の中から選ばれたものだけが翌朝の犬ぞりへと出発できる。従って朝の「私を連れってって」アピールは大変なものがあるそうだ。

毎日健気に出番を待つ彼らと、北極圏の森に出かけてはいかがだろうか。

【サーリセルカ現地駐在員】

そりを引くメンバーに立候補
各々に名前がついている
選抜された犬たち
いざ出発

 

 

2007.11.6
 コスプレ大人気

昨年初めて行われたコスプレ・フィンランドによるコスプレ・フィンランド・ツアー大会。

今年は2回目となり、昨年より更に盛り上がりを見せた。今年のコスプレ・フィンランド・ツアーは、3月のタンペレで始まり、5月にはケミ、7月にユヴァスキュラ、10月はヘルシンキと4ヶ所にわたって、それぞれアニメ関連イベントと同時に開催された。

大会最終回は10月27日、ヘルシンキの見本市展示会場「メッス・ケスクス」で催され、中高生を中心に18歳前後の若者たち50人以上が、創意工夫を凝らした漫画・アニメの主人公らの衣装をまとって、その出来栄えを競った。

洋服に関しては地味なフィンランド人だが、舞台に登場してきた手作りのコスプレ衣装を見るとなかなかのもので、これからが楽しみでもある。

ヘルシンキでの優勝者は「ファイブスター物語」のキャラクターだったが、その他にも、耳などの小物はネットでいろいろ集めて奮闘した、と健闘賞を受賞した「モノノ怪」や「NARUTOの意味は知らないけど・・」と言う、まだあどけない少年の「NARUTO」には、会場から「KAWAII!」という言葉も飛び交った。年末にはネット投票が行われ、4ヶ所全ての参加者の中から、2007年の優勝者が選ばれる。

数年前から、日本食料品店でも若者向けの日本の雑誌を置いているが、先週の秋休みにはフィンランド各地から中高生が雑誌やMANGAを買いにわざわざヘルシンキまで来ていたという。最近は街で黒髪の人を見つけても、東洋人とは限らない。ヘルシンキ市中心地には、髪の毛を黒く染めて、黒いブーツをはいた、ゴスプレと言えそうな、黒ずくめの少女が闊歩しているかと思えば、アキバ系のメイド衣装で登校している中学生も見かける。

J-ポップのMIYAVIや MANAが来フィンし、ポップ歌手の登竜門となるライブハウス「タバスティア」でコンサートが行われた時には、その建物のあるブロック周辺が若者の列で一杯になった。

つい先日行われたThe GazettEのコンサートでも、チケットはすぐに売り切れ、当日良い席を確保しようと、前日夜から並んでいる若者の姿が現地新聞でも紹介された程。並んでいる若者たちの服装を見ると、すでにコスプレ仲間としても顔見知りなのか、互いに手を振り合う少女たちの着ている服やバッグなどの小物は、キティだけではなく、ローマ字で書かれた日本語や漢字のはいったTシャツなどが目に飛び込んでくる。

日本の女子高生の制服を真似た衣装を着て、日本語の歌に口を合わ
せながら、メドレーで踊る「フィン・プロジェクト」という女の子だけのグループも誕生している。日本ではMANGAの売れ行きが下降気味と言われているのとは対照的に、フィンランドでは、衰えるどころか、欧州に押し寄せているJ−ポップ人気の波に乗り、MANGAとともにコスプレ人気は、今後も上昇し続けるだろう。


撮影 Jussi Sorjonen
NARUTO
MONONOKE

 

text & photo by レンミッキ
ワーキングマザーとして、フィンランドの育児支援制度にはいつも感謝! 10年間いた会社では、2人の子どもで約5年の出産・育児休暇を謳歌。


2007.5.10
 ユーロビジョン

5月10日〜12日の間ヘルシンキでユーロビジョン・コンテストが開催される。

この間、ヘルシンキでは大小350ものミュージック・イベントが行われる。日本では、1974年にスウェーデン人グループ、アバが優勝したことで知られているが、それ以外はあまり知られていない、ヨーロッパでの軽音楽コンテスト「ユーロビジョン」。

昨年フィンランド人のハードロック・グループ「Lordi」(ロルディ)が優勝し、翌年の開催地は優勝者の国で開催されることから、今年2007年のヘルシンキでの開催をもたらした。

ロルディは、1996年のバンド結成以来、特異なモンスターのマスクとコスチュームをまとって歌うが、昨年のユーロビジョンでは、それがひときわ聴衆の目を引き優勝に導いた。
今年4月には東京、大阪、名古屋での初来日公演も果たしている。

ロックグループの変わり種はロルディだけではなく、シベリウス音楽院出身の三人のチェリストと一人のドラムで編成される「Apocalyptica」(アポカリュプティカ)も注目されている。クラシック音楽の楽器であるチェロでハードロックサウンドを強烈に奏でる彼らは、ユーロビジョン最終日に特別出演し演奏する。

11日夕方にはヘルシンキ市内中心地の通りで、中学1年生から3年生が民族楽器のカンテレ26台で、ロルディの曲ハード・ロック・ハレルヤを演奏する。伝統的な楽器カンテレでハード・ロックとは、眉をひそめる人もいるかもしれないが、どんな音が奏でられるのか今から楽しみである。

フィンランドではここ数年ハード・ロックの人気が上昇しており、日本でもフィンランドロックのファンが増えてきている。2000年にヘルシンキで結成された長髪5人組の「Amoral」(アモラル)はヨーロッパを中心にコンサート活動をして徐々に知られてきており、2006年には日本でもライブコンサートを行った。メンバーは、日本のファンの熱い反応やコンサート会場での用意周到な段取りに感激、また是非訪れたい、と語っていた。夏にニューアルバムをリリースする。

また逆に、日本のロック音楽もフィンランドの中高生を中心に「雅」など人気が上昇している。3月には日本のロックグループ「MUCC」が、ヘルシンキで最も人気のあるライブハウス「Tavastia」で演奏して好評を博し、6月にはヘルシンキから北西約400kmのセイナヨキでその熱い演奏を披露してくれる。ロック・ファンはこの機会にフィンランドの地方都市まで足を伸ばしてみよう。


Amoral
Amoralのメンバー、BenとSilver
写真提供: Sony BMG Music Entertainment Finland

 

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2006.12.5
 サーリセルカ お薦めグルメ

フィンランドの北極圏ラップランドに位置するサーリセルカは、豊富なアクティビティを体験できるウィンターリゾートとしてフィンランド国内でも人気の場所で、日本人はもちろんヨーロッパの国々からも毎年たくさんの人たちが訪れます。

今冬の現地係員としての駐在生活が始まって早一ヶ月。
駐在をしていて、旅行者の方々によく質問されることといえば、「サーリセルカでお薦めのレストランはどこですか?」、「何を食べたらいいですか?」のような食べ物ネタです。やはりみなさん、どこに行ってもその土地でしか味わえないご当地料理・・・試してみたいですよね。振り返って見ると私も初めてフィンランドに来た当初は未知の食文化の開拓にワクワクしていたものです。

今日は、サーリセルカでお薦めの知っておくとオイシイ『美味しいもの』のお話です。 ラップランドでは、トナカイや雷鳥の肉が食べられます。特にトナカイの肉は、ビーフやポークよりも登場頻度が多いです。サーリセルカのどこのレストランでも食せるトナカイ料理は、スープや煮込み料理、ステーキ、マッシュポテトとベリーを添えた薄切り肉のソテーなど調理法は様々です。

サーリセルカの高級レストラン“PETRONELLA”(写真)では、トナカイのステーキや煮込みシチューなどを食べることができます。
トナカイ肉は一般的にラム肉の味に似ていると言われますが、ここのレストランのトナカイステーキは牛肉と間違えるくらいに美味しく、クセも少なくジューシーです。

また、日本ではお目にかかれないライチョウのステーキもあります。焼き鳥のレバーの味によく似ているライチョウは多少クセがありますが、PETRONELLAのステーキは初めて挑戦する方にも食べやすいと評判です。 日本では特別天然記念物に指定されているライチョウを食べる?!とビックリされることもよくありますが、日本では絶対にできない体験ですから、帰国後の話のネタ(!)になること間違いないですよ!

日本で滅多に体験できない珍しいお肉料理に舌鼓をうったあとは、やっぱり甘いデザートを忘れてはいけません。 ラップランドでしか味わえないものを食べたい方は、「ラピッシュチーズのクラウドベリー添え」を是非どうぞ!ラップランド特製の焼きチーズをクリームで煮込み、モチモチとしてとてもクセになる食感です。 クラウドベリーは北極圏の湿地帯でのみ採れる珍しい野生のベリーで、こちらでは各家庭でもよく食べられています。この二つの組み合わせは絶品でわたしたちスタッフも大のお気に入りです。

このデザートもPETRONELLAはじめ、他のレストランでも食べることができます。 今回ご紹介した“PETRONELLA”は、高級レストランとはいえドレスコードもなくカジュアルなスタイルでも大丈夫。 落ち着いた雰囲気のなかで、フレンドリーなスタッフが最高のサービスでお迎えします。 日本語のメニューも用意していますので、オーダーの時も安心です。 サーリセルカにお越しの際はご当地料理もたくさん挑戦して楽しんで下さい。

そんなことを話しているうちに私もお腹がすいてきました。
それでは、また!


【レストラン PETRONELLA(ペトロネッラ)】
16:00〜23:00

今日ご紹介したお料理
 トナカイフィレ肉鴨のレバームース添え 29.2EURO
 ライチョウの胸肉ロースト 34.5EURO
 ラピッシュチーズ クラウドベリーとシャーベット添え 9.5EURO

その他アラカルトメニュー、コースメニューもあります。

佐藤公美/サーリセルカ現地駐在員


トナカイフィレ肉鴨のレバームース添え
ライチョウの胸肉ロースト
ラピッシュチーズ クラウドベリーとシャーベット添え

 

 

2006.10.6
 りんごの秋

人々の目を夏に十分楽しませてくれた白や薄桃色のりんごの花が散ると、小さな実がつき始め、9月には色づいてきて、実も大きくなってくる。

小道を歩いていると、家々の庭からりんごの甘い香りが澄んだ空気と一緒に漂い、幸せな気分になって散策が楽しい。歩いているとどこの家の庭にも、赤や薄緑色など、いろいろな種類のりんごがたわわになっている。甘めのりんごはそのままガブリとかじり、酸っぱいりんごはジャム用に、とそれぞれバケツに仕分けてある。

ある家の前には、「ご自由にお持ちください」と紙切れに書かれ、袋一杯に入ったりんごが置いてある。 今の時期は、友人、知人、親戚とどこの家を訪れても自家製りんごタルトをふるまってくれ、帰り際には、自慢のりんごジャムと、もぎたてのりんごをお土産に持たせてくれる。

りんごタルトの作り方は家庭によって様々だが、今回は先週末に友人のJouni(ヨウニ)さんが作ってくれたりんごタルトのレシピを紹介したい。

材料
<タルト生地> マーガリン200g、卵2個、小麦粉4dl、ベーキングパウダー小さじ11/2杯
<フィリング> りんご6個(日本のりんごなら3個、庭のりんごなら、皮つきのまま)、シナモン 小さじ1杯

りんごタルトの上にバニラソースをかけるのは定番だが、タルト生地はヨーグルトやアーモンドパウダーを入れたり、卵を入れなかったりと、家庭によって様々。 子供がいる家庭では、バニラアイスクリームを添えることもある。 Jouniさんのお宅では、その日は子供たちがキャンプに出かけていることもあって、アイスクリームではなくバニラソースだった。お土産には、やはり彼の作ったりんごジャムをいただいた。

この帰り道、Terttu(テルットゥ)おばさんの家に寄ると、やっぱり、りんごタルトをご馳走してくれたが、バニラアイスクリームが添えてあった。そしてもちろん、りんごジャムのお土産。

Terttuおばさんのジャムは最高だけれど、作り方はいたって簡単。

りんご(1kg)を適当に小さく切って、少量の水(50cc)で煮る。
ジャム用の砂糖(Hillosokeriペクチン含有量が多い)500gを少しずつ加えて煮る。 りんごが透明になってきたら、少しずつ混ぜてとろりとさせる。20分も煮たら火を止めて(煮詰めないように注意!)、30分ほど冷ます。あらかじめ、50〜80度のオーブンで15分程暖めておいたビンに詰めて、香りが逃げないように、すぐにふたをして保存。

忙しい朝、バタートーストにこのジャムをつけて食べれば、元気一杯。どうぞ、お試しあれ!




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2006年8月2日
 フィンランドの学校の夏休みは2ヵ月半

フィンランドの学校の夏休みは2ヵ月半。 しかも宿題なし。
日照時間が短く厳しい長い冬を三度も越せば、「今こそ太陽を!宿題なんかで室内にいる時ではない」という気持ちになるのがよくわかる。しかし、そうは言っても共働きが当然のフィンランドに住む親たちにとっては、自分たちの休暇は4週間だけ。残る1ヶ月半を子供だけで過ごす時間が頭痛の種。保育園には子供を夏休み中も預けられるが、小学校の学童保育は夏休みである。親はおじいちゃん、おばあちゃんに子供の世話を頼んだり、親戚のサマーコテージで一緒に過ごしてもらったり、キャンプに送ったり、高校生のアルバイトを頼んだりとあれこれ策を練る。

でも、もうひとつ心強いのが、オープンパークでの無料昼食配給。プレイパークとは市の管轄の公園で、市の職員が9時から16時まで常駐しており、学期中は午後から学童保育ともなる。ヘルシンキ市では夏休みの間、16才以下の子供たちにプレイパークでスープ類の昼食を無償で提供してくれる。

子供たちはスプーンとお皿を持参して、12時前に公園へ行く。食事の前に子供たちとパークの職員とが輪になって一緒に歌を歌い、それが終わると一列に並んで食事をもらいに行くのだが、そのお皿を手に持って並んでいる姿がなんともかわいいのである。「小さい子が先ですよぉ」という市職員の声が青空に響く。パークによっては、その日のお手伝いをする子供の当番を決めて、皆のお皿を受け取りに回り給仕してあげる所もある。

小学生ともなれば、友だちや兄弟姉妹で近くのプレイパークへ自転車などで行き、昼食後はそのままパークで遊んでいったりもする。プレイパークでは昼食サービスだけではなく、ボートで島への遠足や手芸会、人形劇などいろいろな催しを楽しみながら過ごす。

そして、毎週木曜日はパンケーキの日。これは有料で付き添いの大人用にコーヒー・紅茶も用意されている。私も行ってみると、娘の同級生の父親も来ていて、パンケーキを食べながらひとしきり育児の苦労話に花が咲いた。

税金がこのような形でも使われていることがはっきりと目に見え、しっかり利用させてもらっていると、高い税金にも納得がいく!



食事前の歌


並んで


豆スープ(グリーンピース スープ)

 

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2006.6.2
 オーランド諸島でサイクリングを楽しもう!

素晴らしい季節がやってきた。

5月初めの白樺の若葉がネズミの小耳のように小さいことからフィンランド語で「hiirin korvat(ヒーリン コルヴァトゥ)」と表現する。 この小さく青々とした若葉がそよそよと風になびく姿は美しく、ため息でもついてノンビリしたいところです。 フィンランドの夏は短いので、皆思い切り楽しもうと期待をふくらませて夏休みに向けての旅行計画に余念がありません。

今回は、サイクリングで人気のある、オーランド諸島への旅をご紹介します。 オーランド諸島はフィンランドとスウェーデンの間に浮かぶ6500の群島からなる島で、人口は約26,000人。 ヘルシンキとトゥルクから飛行機または船で行くことができますが、美しい群島の眺めを楽しむには、豪華客船でゆったりと行くことをお薦めします。

オーランド諸島は、フィンランド共和国に属していながら、1921年に自治権を認められ、スウェーデン語を公用語とするユニークな島です。 今では独自の島旗があり、オーランド独自の切手も発行しています。 「フィンランド初代公使滞日見聞録」(著者:グスタフ・ヨン・ラムステット、翻訳:坂井玲子、出版:日本フィンランド協会)に自治権確得するまでの経緯がわずかだが述べられていますので、歴史に興味のある方は読んでみるとよろしいでしょう。

船のスケジュールは、ヘルシンキからは夕方出発して明方に、トゥルクからは朝方の出発で19時頃にマリエハム港に到着。 10分程の停泊ですぐにまたストックホルムへ向かって出航するので、ヘルシンキ発の場合は寝過ごさないように気をつけてください。 我々家族がオーランド諸島へ行った時は、我が家の車1台と、小学生二人を連れた親子4人のサイクリング一家の二家族だけが下船しました。 明方でもかなり明るく、サイクリング一家は頑丈な岩盤の海岸沿いを自転車で勢い良く走り去っていきました。

オーランド諸島では、何よりもこうして自然を楽しむのが一番です。 美しいなかにも少し哀しげな雰囲気を残す島々と海を眺めていると、静寂そのものです。 宿泊する場合はコテージ滞在をお薦めします。 サイクリングに疲れたら、マリエハムの中心地の洒落たデザインショップにはオーランドだけのモダンなデザインの製品が並びます。 冬物製品には素敵な図柄のセーターや帽子など、冬が待ち遠しくなるような可愛いらしい手編みが目を引きます。

更に、グルメの方にはオーランドパンケーキが食欲をそそります。 ヘルシンキなどで食べるパンケーキよりボリュームがあってお米も入っています。 ベリー類のジャムかプラムゼリーを添えて生クリームもたっぷり加えて是非、お召し上がり下さい。

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




写真提供:バイキングライン

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2006.4.4
 コミック・パワー

欧州でもフランスやベルギー、ドイツなどで特に人気がある日本の漫画が、フィンランドにも進出してきている。 漫画はこの2年程で、中高生や大学生など若者を中心にジャパンポップとして人気が高まっている。

この10年程の間に、やはり、かなりポピュラーになった寿司だが、その食材を扱う日本食料品店でも、最近日本語の漫画本や雑誌の販売を始めた。

購入するのは殆どがフィンランド人の中高生で、一生懸命日本語で話そうとする学生もいると言う。 フィンランド語に訳されている漫画は「DRAGON BALL」、「INUYASHA」や「RANMA」などまだ少数。
「DRAGON BALL」はコミック誌ではなく雑誌で販売されていた3年前に青少年に相応しくない、とキオスクなどが自主的に青少年の雑誌コーナーから撤退させるなど、物議をかもした経緯があるが、「12才以上」と但し書きをつけることで決着がついた。

「NARUTO」「 FRUIT BASKET」など殆どが英訳だが、中にはスウェーデン語訳のものもある。 ヘルシンキにある大手書店 「Akateeminen Kirjakauppa」でも、以前は漫画本の売り場を捜すようであったが、今では「MANGA」コーナーを設けており、その売場も広がった。

ヘルシンキ市内ではその他に 「Good fellows」 や「Fennica Comics」などの書店で日本の漫画などを取り扱っている。 街角ではコスプレらしき女の子たちが闊歩し「チョー、カッワイィ〜」などと言っているのを耳にすることもある。

雑誌、季刊誌、週刊誌などで日本の漫画を紹介する件数も増え「アキバ」や「オタク」「ハラジュク ガール」という言葉の説明もある。昨年秋には大手出版社Otava社から、日本の漫画の歴史を書いた、イギリス人Paul Gravett著の「MANGA」がフィンランド語訳が出版され、つい2ヶ月程前には、フィンランド人初の漫画本「 Infamy-Vesioli mustaa」も同社から出版された。 漫画に関するホームページも続々設立されているので、いくつかご紹介しよう。

 Sangatsu MangaKupoliOtakutFinnManga

アニメも人気急上昇中。宮崎駿監督の「ハウルの動く城」も日本とほぼ同時期に上映されたが、今後、宮崎駿の作品が全て上映されることになっている。

現在、映画 「GEISHAN MUISTELMA」(日本での題名「さゆり」)が上映されているが、漫画から日本文化にのめり込んだファンが「日本の文化はエキゾチックで美しい!」と、まだ私が見に行っていないことに驚き、是非、この映画を見に行くよう薦められた!

フィンランドはもともと親日の国だが、ジャパンポップの人気のお陰で、日本への関心が益々高まっている。 これからフィンランドを訪れると、そう簡単には笑顔を見せないシャイなフィンランド人が、日本人旅行者には親しみを込めた微笑を投げかけてくるかもしれない!

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




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2006.2.2
 ヘルシンキの博物館で楽しむコンサート

雪ではなく、時には雨が降るほどの暖冬だったが、1月後半にはしばらくマイナス20度前後の日が続いた。それでも何事もないようにフィンランド人は普通に日常生活を続けている。さすがに、青空スケートを楽しんでいる人の数は少なかったが、それでもやはりアイスホッケーのスケート場には練習をしている若者が、−20度をものともせずに走り回っていた。

2月に入り、0度前後の日が予想されているが、またいつ厳寒になるやもわからない。そんな寒い時には、博物館めぐりをしてみよう。国立博物館やアテネウム美術館、現代アートのキアズマ美術館などは一年中開館しているが、夏期(5月1日〜9月末位)だけしか開館していない博物館も多い。そんな中で、ヘルシンキ周辺で今の時期に開館している博物館は少々マイナーだが、アットホームなコンサートが開かれる日もあるので、いくつかご紹介したい。

▼Koulumuseo(学校博物館)
1840年代に住居として建てられた建物。1920〜30年代の教室の様子が展示されている。簡素な机と椅子が並んでいるので、そこに座って「もし、こんな教室で勉強していたら…」と想像を膨らせてみることもできる。コンサートはコーラスで4月6日18時〜20時で無料。⇒詳細はこちら(英語)


▼Cygnaeuksen galleria(シグネウス・ギャラリー)
カイヴォプイスト高級住宅街の一角にある木造建ての美術館。かつて夏の別荘としてドイツ人によって設計され、1882年に美術館として公開されるようになった。美術館としてはフィンランドで一番古い建物となる。こんな建物の中で聴く、こぢんまりとしたコンサートは気持ちが暖かくなる。3月26日と4月23日の14時がシベリウス・アカデミーの学生による、そして3月15日と4月12日の18時が中央ヘルシンキ音楽院の生徒たちによるコンサート。詳細はこちら(英語)


なお、シグネウス・ギャラリーと同じ通りには、フィンランドの英雄であるマンネルヘイム元帥の博物館があるので、近代史に興味がある人は是非ここにも寄って頂きたい。但し、開館日は金〜日だけ。詳細はこちら(英語)

▼Urho Kekkonen museo Tamminiemi(ウルホ・ケッコネン博物館)
 
セウラサーリ島(島内が野外博物館となっている)入口の橋の近くにある、元大統領ウルホ・ケッコネンが1956年から25年間大統領だった時の公邸であった、赤い屋根にピンク色の建物。海辺には小さなサウナ小屋もあるので見逃さないように。また日本語のカセット・テープで説明を聞くこともできる。ここでのコンサートは2月5日、4月2日、4月23日、5月7日の14時。シベリウス・アカデミーの学生たちが演奏する。詳細はこちら(英語)
ちなみに1月29日に大統領の選挙があり、国民投票により現職の女性大統領タルヤ・ハロネンが2期目の当選を果たしたばかり。現在の大統領公邸はこのウルホ・ケッコネン博物館に行く途中の奥まった場所にあり、公開されていた時期もあったが、現在は非公開。


▼Raitioliikennemuseo(市電交通博物館)

1891年に始まったヘルシンキの市電約100年間の歴史を古い市電や写真で説明してあり、また1870年代のヘルシンキ市のミニチュアなども展示してある。3月12日と4月9日、10月15日と11月19日の14時にシベリウス・アカデミーの学生によるコンサートがある。詳細はこちら(英語)


(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




写真上:現代アートのキアズマ美術館
写真中:シグネウス・ギャラリー
写真下:(C) Urho Kekkonen museo Tamminiemi

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2005.12.2
 ヘルシンキのクリスマスを楽しもう!

いよいよ、フィンランドの国民的行事の月、12月になりました。何と言ってもサンタクロース本場の国、フィンランドにとっては取り分け大切な月です。 クリスマスはフィンランド語で「JOULU (ヨウル)」と言いますが、11月末の日曜日にクリスマスの飾り付けが始まると、人々はにわかに忙しくなります。

庭や玄関先の木々にイルミネーションを巻き付け、ドアリースを飾り、プレゼントを買いに走り、クリスマスカードを書いて、クリスマスのクッキーであるジンジャークッキーを作ります。クリスマス直前の一週間はクリスマス料理を作り、大掃除もしなければなりません。

これらの合間に各学校では、クリスマス行事やコンサートがあり、親たちは夕方6時頃から始まる子供たちのコンサートなどを聴きに行きます。兄弟姉妹が別々の学校の場合や、日程が重なったりすると、父親は中学校、母親は小学校のコンサートに行くというようなことになります。

これらの12月のスケジュールを殆どの人が共働きでこなしていますが、加えて夫と妻それぞれの職場で「PIKKUJOULU(ピック・ヨウル)」という、意味としては、24日のクリスマス当日前の小さなクリスマスで、日本で言う忘年会のような宴があります。このピック・ヨウルで必ず振る舞われるのが、ジンジャークッキーとクリスマスドリンク「グロギ」。運が良ければ、たまたま入った土産店などでも振る舞っていることがあるので、遠慮せずに試してみましょう。温かいワイン色の甘いジュース、グロギを飲むと体がほんわり温かくなってきます。

12月中は、24日までの毎日曜日の17時頃から19時頃に、あちこちの教会でクリスマスコンサートを催しています。クリスマスコンサートは日本でも広く知られているクリスマスソングだけではなく、フィンランド人作曲家のクリスマスソングも多く歌われます。教会でのコンサートは、いつでも厳かな気持ちになりますが、フィンランドのクリスマスソングを聴くと、厳かなだけではなく大変静かな気持ちになります。

厳かと言えば、こんな慌ただしい中でも、もうひとつ厳かな気持ちになるのが、12月6日の独立記念日。フィンランドの国旗の色である青と白、二色のローソクを各家庭の窓辺に2本灯して、その独立を祝います。ヘルシンキ中心部にあるアルバー・アールト設計の製紙会社の本社建物では、独立記念日からすべての窓辺に、この2本の明りが灯されてきれいです。

独立記念日には、朝市場前にある大統領官邸でパーティーが催されますが、招待客の衣装が毎年国民の関心事。夜7時頃になると、テレビに映し出される政財界人の衣装の批評で盛り上がります。外交関係者やその年の功績者、芸術関係者も招待されますが、昨年はバレエで活躍の日本人女性が振袖姿で現れると、アナウンサーが「これです。これを待っていました。本当にKIMONOはきれいですね」と感嘆していました。今年はどんな衣装が見られるか、6日に滞在中の人はホテルのテレビをつけるのをお忘れなく!

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




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2005.11.2
 ノルディック・ウォークで秋を楽しもう!

今年の秋は例年になく暖かい。10月後半になっても10度位で、雨も殆ど降らず、きのこ狩りが楽しくできた。あまり暖かいので、通常は北部では見られないスッピロヴァハヴェロという、柄の部分が黄色いきのこが、北東部のカヤーニ地方でも群生した程。

きのこ狩りの季節が終わると、自動車道路の制限速度が冬期制限速度に変わる。道路が滑りやすくなり、暗くなってくるので、冬期は時速120kmの道路は100kmに、時速100kmの道路は80kmに制限速度が減速される。減速される日付はその年や地域によって違うが、中央・南部地域では今年は10月24日に変更された。その週末には冬時間となり、日本との時差は7時間になった。

フィンランド人は11月が嫌い。10月は美しい白樺の黄葉ときのこ狩りが楽しめるし、12月は雪明かりで少しは明るいし、なんと言ってもクリスマスがやってくる。その合間にある11月は黄葉も雪もなく、ウィンタースポーツもできず、ただただ暗く憂うつな時期。…と思いきや、近年は雪が降る前にも、あるスポーツが楽しめる。ノルディック・ウォークである。

日本でも少しずつ普及しているが、ノルディック・ウォークはクロスカントリー・スキーのようなスキー板は必要なく、ストックを使って歩く運動。森の散歩道だけでなく、一般の歩道でも歩ける、フィンランド発祥のスポーツ。市内中心地でも、そのストックだけを使って元気良く歩いている人たちを見かける。ストックを振って歩くことにより、ひじを後ろに持ち上げるので、その運動効果は普通の歩行よりも、20〜40%高いと言われ、中高年層の女性を中心に盛んになってきている。マリメッコのマイヤ・イソラがデザインしている、ウニッコの柄のストックまでお目見えし、少しずつ若者にも愛好者が増えてきている。

ストックは図書館で貸出ししていて、2週間は無料で借りられる。以前、高齢の義父が、図書館に行くので付き合ってくれと言うので一緒に行くと、義父が窓口で身長を告げていた。不思議に思っていると、館員がストックを持って来たので驚いたことがある。図書館は利用者カードが必要なので、旅行者はスポーツセンターなどで借りるのが便利。レンタル料金は1日約3.50ユーロ。

歩き方がよくわからない、一人で歩くのはつまらない、という人はガイド付きコースを。ヘルシンキ市の場合、11月中はオリンピックスタジアム横のトーロンラハティ・リクリエーションセンターが毎月曜日、ウォーキングを指導してくれる。オペラハウス、フィンランディアホールの夜景を楽しみながらトーロン湾を一周するコースで、出発は18時、所要時間は1時間半。ストックのレンタル料金も含め、5ユーロ。

11月の18時頃はかなり暗いので、ウォーキングをする場合は、安全のため反射グッズを服に付けて歩こう。隣りのヴァンター市では毎日曜日の15時出発で湖畔を歩き、所要時間は同じく1時間半。希望者はウォーキング後、10ユーロでスモークサウナに入れる。フィンランド人がリラックスするには、秋深くなっても、やはりサウナが欠かせないようだ。

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)






写真上:きのこ(スッピロヴァハヴェロ)
写真中:冬のノルディック・ウォーク
写真下:夏のノルディック・ウォーク

text & photo by レンミッキ
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2005.9.2
 ヘルシンキの足! ヘルシンキ交通局の活躍

小中学校の2ヶ月半の休暇が終わり、8月中旬から新学期が始まりました。バスや地下鉄に子どもたちの姿が戻ってきます。子どもたちは基本的に自宅近くの学校に通学しますが、市内であれば自由選択制。ヘルシンキ市の場合、自宅から学校までの距離が、小学生の場合2km以上、中学生の場合5km以上なら、交通費を市が負担し、定期券が支給されます。

そんなわけで、今月はヘルシンキ交通局の活躍を紹介しましょう。ヘルシンキ交通局は、ヨーロッパ内で2000年から毎年実施の、都市交通局の評価を競う「国際ベストプロジェクト」という比較調査で、いつも1位か2位の評価を受けています。昨年もヘルシンキ、ストックホルム、オスロ、コペンハーゲン、バルセロナ、ウィーン、ジュネーブの7都市がこのプロジェクトに参加し、ヘルシンキ市交通局は1位の評価を受けました。

市内を走行している交通局の乗り物は、バス、地下鉄、市電の3つつと世界遺産であるスオメンリンナ島に行く船。乗車券は共通で、2ユーロで1時間乗り放題です。乗車券は、バスと市電の場合、乗車してから運転手に直接支払い、地下鉄は乗車前に自動券売機で購入します。市電「3T」に乗ると、主な観光スポットを見て回ることができます。

地下鉄路線は中央駅から西へ2駅、東へ10+3駅の1本だけ。駅は全部で16駅で、そのうち改札があるのは1駅だけ。改札がないので、ちょうど地下鉄がプラットフォームに来たりすると、うっかり乗車券を買うのを忘れてしまうことも。検札員が来て、乗車券を持っていないと罰金の支払いが課せられます。けれど、慌てなくても大丈夫。携帯で簡単に購入でき、しかもその方が自動券売機で買うよりも10セント安いのです。購入の仕方は簡単で、携帯から決まった形式のメールを送信すると、購入確認のメールが届く仕組みです。検札員が来たら、そのメールの画面を見せればOK。

また、各乗り物をベビーカーと一緒に使う親にとって嬉しいのは、エレベーターと「段差なし」。エレベーターは全地下鉄駅に設置してあり、プラットフォームと地下鉄車両の間には段差がありません。バスはほとんどが低床バスなので、他の乗客に助けを求めなくても、ひとりでベビーカーの乗降ができます。車内にベビーカー用のスペースがあるので、ベビーカーをたたむ必要もありません。

市電とバスには乳母車の絵のついた降車ボタンがあり、これを押すと、通常より長い間乗降口を開けておいてくれます。だから、ベビーカーと移動している親は、慌てずにゆっくりと降りることができますし、車椅子の人も、助けを借りずに一人で乗降できるのです。

低床バスとは別におひさまマークのミニバスも運行しています。このバスはサービスバスと言って、病院、保健所、老人サービスセンター、ショッピングセンターに行くもので、一般バスの停留所に加え、誰かが手を挙げれば、どこでも停車して乗せてくれるのです。病院や保健所通いの多いお年寄りにとって、これは便利です。利用するうちにお互い顔馴染みになって、寡黙なフィンランド人も、車内でお年寄りたちの世間話に花が咲きます。

しかし、何と言ってもヘルシンキ市交通局の親切さの極めつけは、ベビーカーと乗車する人は親であれ誰であれ、運賃が全て無料ということです。これは、ベビーカーと乗車している親が、支払いでお財布を開けたり、なんだかんだとしている間、子どもは危険な状態にある、という考え方からで、1980年代から無料なのです。


排気ガスを吸わない位置にある高い乳母車。冬の雪道で空回りしないよう幅広の車輪。日本の、小回りがきく軽いベビーカーに比べると、なんだか戦車みたい。しかし、そんな大きな乳母車を公共交通機関でゆったりと押している親たちには「あなたたちの将来の年金を支払う、納税者を産んだのよ!」という誇りと、「こんなに高い税金を払っているんだもの。それ位、当然よ!」という自信がうかがえます。

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




text & photo by レンミッキ
ワーキングマザーとして、フィンランドの育児支援制度にはいつも感謝! 10年間いた会社では、2人の子どもで約5年の出産・育児休暇を謳歌。


2005.7.4
 夏至祭・サウナ・世界陸上 ヘルシンキのホットな夏!

北欧の夏と言えば、夏至祭。年によって違うが大体6月最後の週末となる。ヘルシンキ市、タンペレ市などの主要都市は夏至祭の行事に参加する観光客でにぎわうが、金曜日の午後から銀行も商店も職場も休みとなり、地元の人々は夏至祭をサマーコテージで過ごすため、都市を脱出。田舎をめざして道路も珍しく渋滞する。

フィンランド人と同じように夏至を過ごしたい人は、ファームステイをしてみよう。地方の農家に宿泊し、フィンランドの家庭料理を食べて、牛や馬とのんびり過ごすことができる。しかし、醍醐味はなんと言っても湖畔の「サウナ」。

サウナの本場の国フィンランドでは、日本のお風呂のようにどこの家庭にもサウナがある。都市住宅では殆どが電気サウナだが、電気で暖めるとどうしても乾燥気味になってしまう。それに比べ、薪でたく田舎のサウナは湿気があって格別。サウナ小屋の中にあるストーブの上の焼石に水をかけると、シュワ〜と蒸気が出てくる。その時に、白樺の枝を束ねた若葉(ヴィヒタ)で体をバシバシと叩く。新陳代謝が良くなり、若葉の香りも蒸気と共に鼻にのぼってきて、思わず「ハァ〜」と声が出る。

大事なのはこの次。一糸まとわず湖にドボンと飛び込んでみよう。そのあとまたサウナに戻り、泳ぎ、と好きなだけ繰り返す。泳いだあとにサウナに駆け戻った時の気分は最高だ。水着で湖に入るのと裸で入るのとでは、そのあとサウナに入った瞬間の気持ち良さが違う。水着なしというのは少し抵抗があるかもしれないが、そこは人口の少なさ。周囲には誰もいないし、万一近くで誰かが泳いでいる気配がしたら、その間は待っているのが、湖畔のサウナでのエチケット。少しだけ勇気を出して湖畔の薪サウナを体験してみよう!

田舎まで行く時間のない人は、ホテルでサウナ体験ができる。大抵のホテルでは、朝のサウナは無料。電気サウナではあるけれど、朝市場でヴィヒタを買って(5ユーロ位)バシバシやってみると、湖畔の気分。但し、心臓の弱い人は自分の健康と相談しながら注意してほしい。

今年の夏至祭は過ぎてしまったが、夏の楽しみはまだまだある。7月はブルーベリーシーズン。田舎まで行かなくとも、郊外に少しでも出れば、至る所でブルーベリーが採れる。手でひとつひとつ摘み取っていたら日が暮れる。造園所などで売っているブルーベリー採取用のスコップで、ザッザッとすくいあげていくと、あっと言う間にバケツ一杯になる。フィンランドでは、ブルーベリー摘みに限っては「誰にでもその権利がある」という言い方がある様に、国有林でもどこの森でも、個人の庭でない限りはそこに自生しているブルーベリーを摘んでも良いとされている。サウナとブルーベリー摘み、これで日頃のストレスと悩みは解消!

最後にもうひとつ。今年8月にヘルシンキで世界陸上選手権大会が開催される。期間は8月6日(土)〜8月14日(日)。日本選手の活躍も期待されるので、マスコミなど関係者も多く訪れるだろう。この時期にヘルシンキに滞在予定の人は早目に宿泊の予約をした方が良い。大会開催中は市内のバス・市電・地下鉄の共通券が割安になるので、うまく利用しよう。現在、フィンランドに在留する日本人は約850名。全員で応援しても約4万人収容のスタジアムでは微々たる数。この機会に日本の国旗を持参し、日本選手の応援をして頂きたい。大会もきっと盛り上がる!

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




写真上:野に咲く花
写真中:サウナ小屋
写真下:ファームステイ

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2005.5.6
 フィンランドの「母の日」

フィンランドでは、4月末頃までに、車のスパイクタイヤを夏用タイヤに交換している。自分で交換する人もいるが、ガソリンスタンドで交換してもらう人も多いので、早目に予約しておいた方がいい。

年によっては、もういくらなんでも雪は降らないだろう、とタイヤを交換した頃でも雪が降ることがある。これをフィンランド語で「TAKATALVI−タカタルヴィ」と言う。つまり「冬に逆戻り」。今年の4月中旬にこの「TAKATALVI」があった。殆どの人がもう夏用タイヤを交換していたのだろう、朝の通勤時間帯にはスリップしては大変と、いつもより皆、車の速度を落として走行していた。

このタイヤの交換時期が終わると、春のお祭り「Vappu−ヴァップ」、そして日本と同じく第2日曜日に「母の日」がある5月となる。「Vappu」とは5月1日のメーデーのことで、日本と同じように労働者の祭典なのだが、それよりもその前日となる4月30日は、長い冬が終わって、やっと春が来る!というはちきれんばかりの喜びを、国民が一斉に表わすような日である。

また各都市の中心地はどこも白い帽子で一杯になる。全国共通の大学検定試験にパスすると、白い帽子をかぶることができるからだ。試験に合格した人なら老いも若きも皆が、その証である白帽をかぶって、街に繰り出して来て春の到来を祝うのである。

この陽気なお祭りが終わると、次は「母の日」。フィンランドでは母の日の花はミニバラである。ミニバラは花屋で買うのだが、それよりももっと素敵な母の日の花がある。それは「Vuokko−ヴォッコ」という二輪草の種類である野の花。子供たちは当日朝に、家の庭や裏の森などから摘んできて、お母さんにあげる。子供たちが母親のために、白い可憐な野の花を森の中で摘んでいる姿は、想像するだけで大変愛らしいし、幸せな気分になってくる。

でも、もっと幸せな気持ちになれる極めつけの母の日の習慣は、朝食。この日ばかりはゆっくりベッドにいる母親に、家族がベッドまで、母の日のプレゼントと一緒に朝食を運んで来てくれるのである。母親にとって、誰かが食事を作ってくれるなんて、ましてまだ起き上がっていない自分のベッドまで持って来てくれるなんて、これ程ありがたい事はない。

昨年の母の日の翌日、馴染みの花屋の店主に「昨日はちゃんと奥さんにベッドまで朝食を持って行った?」と冷やかしたら「もちろん!朝食だけでなく、僕が朝作ったケーキもトレーにのせてベッドまで持って行ったよ」との返答。今年は私も期待しよう!

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




写真上:メーデー
PHOTO: Helsinki City Tourist & Convention Bureau
写真中:メーデーの前日
写真下:ヴォッコという花

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2005.3.2
 フィンランドの復活祭(イースター)

3月に入り、朝7時には明るくなってきた。こうなってくると、気温や風景はまだまだ冬なのに、長い厳しい冬の気候だけに、気持ちだけは早、待ちに待った春の到来を感じる。

そして更に「春が来た!」と感じるのは猫柳の芽がお目見えする 復活祭の頃。復活祭の1週間前の日曜日には、子どもたちが魔女の格好をして各家庭を回る。その日に突然誰かがドアベルを押したら、まず間違いなく、かわいい魔女たちだ。ドアを開けると、顔にたくさんそばかすを描いた魔女に扮装して、「ヴィルボン、ヴァルボン…」と、赤や青のテープで飾り付けをした、春の訪れを伝える猫柳の枝を振り回しながら、おまじないを唱える。この子どもたちにはお金かキャンディーをあげるので、それぞれの家ではお金かキャンディーを用意して、どきどきしながら、かわいい魔女たちを待つ。

年によって違うが、今年の復活祭休暇は3月25日(金)から3月28日(月)まで。イエス・キリストの復活を祝う行事だが、国民の祝日なので、学校、職場ともにお休みである。通常は日曜日だけの礼拝も、復活祭中は、各教会で4日間毎日復活祭礼拝があり、始まる時に入らない限り、礼拝中は教会に入れないので、礼拝時間を確認しておいた方がいい。

26日(土)の夜10時に大聖堂で礼拝があるが、その前に復活祭行事として、十字架を背負うイエス・キリスト一行の行進があるので、夜と寒さに強い人は是非行ってみよう。出発は19時、中央駅から少し歩いた所にある、Kaisaniemen puisto(カイサニエメン・プイスト)公園で、終点は大聖堂前の階段である。行進にずっとついて行くのは寒すぎるという人は、礼拝が始まる前の21時から21時半頃に大聖堂前で待つ、というのもひとつ。

同じく26日の夜19時に、野外博物館のあるセウラサーリ島でボン・ファイヤーが点灯される。かわいい魔女たちにも会えるだろう(入場無料)。船で行くスオメンリンナ島でも、27日と28日にはガイド付き散策があるので、詳しい時間はツーリスト・インフォメーションで聞いてみよう。

3月のデパートや商店では、生命の喜びを表す象徴としての卵、ひよこ、うさぎの形をしたチョコレートなどの商品が並べられ、家庭では緑の草などが家の中で猫柳の枝々と飾られる。復活祭グッズを買いたい人は、デパート、朝市場、屋内マーケット等の他に、元老院広場前にあるKiseleff Houseの入り口すぐ右側にあるお店や、Hakaniemi(地下鉄で中央駅から2つ目下車)の屋内マーケット2階に行ってみるといいだろう。猫柳の枝に吊り下げる、かわいい魔女の人形などが見つけられる。
でも、復活祭休暇中は商店等も26日(土)以外は閉まってしまうので、気をつけよう。食料品、簡単な日用品なら中央駅地下の小さいスーパーマーケットが開いている。

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)





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2005.1.7
 フィンランドの冬の楽しみ方

年明けのフィンランドは、スマトラ沖地震の犠牲者が多かったため(1月3日現在で行方不明者183名)新年の国旗掲揚も半旗となり、重苦しい雰囲気で2005年が始まった。しかし、ハロネン大統領の新年の挨拶で「被災者の皆さん、あなたがたはひとりではありません。あなた方の悲しみと不安は私たち皆のものであり、今、そして将来にわたり、あなた方の支えになっていきたいと思っています」という言葉で少し救われました。

さて、年が明けたヘルシンキは、まるで11月のような天候。気温は夜には氷点下になるものの、日中は 0〜3度とプラスの日が続いている。雪どころか年末は雨が降り、雪は溶けていくばかり。溶けた雪は夜には凍り、翌朝はツルツル滑るので、旅行者も足元には要注意。例年なら、転倒して病院に運ばれる人が増えるのは雪解けの春先だが、1月というのは早すぎる。転倒防止のための砂利が道にまかれているが、これを怠ると、転倒して怪我をした人の治療費は、その道を管理している市、或いは個人などが負担することになるので、管理者の方も要注意だ。

1月は暗いと言っても冬至も過ぎてからは、日が少しずつ延びていき、晴れの日も多くなってくる。海や湖がしっかりと凍り、雪が充分あれば、氷上クロスカントリースキーを楽しもう。夏には船も出ていないような小さな島で、この時期になるとキヨスク兼喫茶店がオープンし、ベリー類のホット・ジュースを飲むことができる。クロスカントリースキーで島に到着した後のホット・ジュースは、たまらなくおいしい!でも海や湖が充分に凍っていないと危ないので、スキーができるかどうかは地元の人に聞いた方が確か。絶対に無理はしないように気を付けよう。レンタルスキーはヘルシンキの場合は、オリンピック・スタジアムで貸し出している。

冬のもうひとつの楽しみはオーロラ。ヘルシンキではなかなかオーロラを見ることはできないが、ラップランドまで行けば、運が良ければ見る事ができる。こればかりは、自然現象なので、「絶対見ることができる!」と確約できずに残念だが。

冬だからと臆さないで、フィンランドの冬を楽しもう!

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)




写真上:雪化粧のヘルシンキの街並み
写真中:氷上で楽しむスポーツ
写真下:ヘルシンキの大聖堂(すべてイメージ)
PHOTO: Helsinki City Tourist & Convention Bureau

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2004.11.2
 何もない? いろいろある? 不思議な11月
11月のフィンランドは一番淋しい季節。10月までの美しい白樺の黄葉は終わり、また美しい雪景色までは、まだあと1ヶ月程ある。気温は7度前後で、朝晩は2度前後になることも。ヘルシンキの日の出は11月初めで7時40分、日没は16時30分と、冬至に向かって日もどんどん短くなっていく。

でも、フィンランド人はめげない。むしろ、何もないこの時期にとばかり、仕事に励む。そして、早くもクリスマスカードの準備なども始めるのだ。年によって違うが、11月中旬から下旬の日曜日にはクリスマス・イルミネーションの点灯式が行われる。

場所はストックマン・デパート向かい立つ、「3人の鍛冶屋」の銅像前。日曜日は店が休みなため、通常は閑散としている街も、点灯式ではヘルシンキ市長がスピーチを行ない、子ども向けの催しもあるので、この日は家族連れで賑わう。

また、この点灯式を境に、あちこちの店で「グロッギ」という飲物をふるまい始める。これは1600年代にスウェーデンからフィンランドに渡ってきた飲物で、赤ワインにいろいろな香辛料を入れて暖かくして飲む、クリスマスの飲物。好みでレーズンとアーモンドをひとさじほど入れて飲むのだが、これが体が暖まってたまらない。

逆に体を冷やしてみたいという人は「ICE BAR」に行ってみよう。今の時期、気温はまだまだマイナスにはならないが、零下でフィンランドウォッカを飲んでみたければ、ここ。10ユーロで、マイナス5度を体験できる。コートも手袋も用意されているから、震えずに飲める。「HELSINKI HOTEL」横の地下にある。

もうひとつ、11月の大事な行事は「父の日」。フィンランドでは、11月の第二日曜日が「父の日」で、5月の「母の日」ほど重要ではないけれども、日本よりは思い入れが強い。自宅でのお祝いが終わると、今度はおじいちゃんの家に行って、お祝いが続く。

淋しい時期、と書きましたが、やっぱりいろいろありました!

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL) 




写真上:窓辺のすてきな飾り付け
写真中:12月の「3人の鍛冶屋」(イメージ)
写真下:ヘルシンキのイルミネーション(イメージ)
PHOTO: Helsinki City Tourist & Convention Bureau

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2004.9.2
 秋の兆し ベリー・きのこ・芸術の秋
フィンランドでは、8月中旬から各学校の新学期が始まる。この時期から季節は「秋」となり、朝市場の果物売り場もイチゴやブルーベリーに代わって、ラズベリーが主流になってくる。小粒だと、もろくつぶれやすいが、それがたまらなく甘くておいしい。崩れやすいし、持ち歩きにくいので、そのまま市場で歩きながら食べてしまうのがおすすめ。1ボックス3〜3,50ユーロ。

イチゴもまだ売っているが、徐々に小粒になっていき、甘さも最盛期より落ちていく。けれど、フィンランド人は皆、自分のバケツを持って来て、それに一杯とか、大きな箱で数箱買ったりしている。これは太陽の少ない冬に備えて、冷凍用に買って行く人が多いからだ。イチゴに砂糖をふりかけ、少しだけレモン汁をかけて、冷凍庫へ。日の短い冬にビタミン補給ができる。

ラズベリーの次に市場に並ぶのは、赤い実のリンゴンベリー。同じ時期に実のなる、スズランと似ている。スズランは可憐だが、実は毒性で危険。リンゴンベリーよりも、オレンジ色が強いが、子供は間違って食べてしまったりすることがあるので、気をつけよう。リンゴンベリーはブルーベリーほど、至る所で採れるわけではないが、それでも、森の中へ入っていくと、足元にかわいい実がいくつも見えてくる。

9月初めには、白樺の葉も少しずつ黄色くなり、ヘルシンキでは10月になれば、きれいな黄葉が見られる。この黄葉の森の中でリンゴンベリー摘みをするのも、また楽しい。ラップランド地方では、9月初旬のベリー類の紅葉がきれいだ。ベリー類なので、樹木の紅葉と違い足元にあるわけだが、足元に紅葉を見るなんて、日本人には不思議な感じがするかもしれない。しかし、きれいである。

また、秋と言えば、フィンランドはきのこの季節。店で売られている黄色いきのこはKanttarelli(あんずたけ)といって、肉料理のクリームソースに使われることが多い。10月には、森の中できのこ狩りができる。毒きのこもあるので、きのこに詳しい人と一緒に行った方がいい。ヘルシンキ市観光局に行くと、自然ガイド同行の、きのこ狩りハイキングの日程を教えてもらえる。

最後に、秋の大きなイベントをご紹介しよう。毎年恒例のヘルシンキフェスティバル(8月20日〜9月5日開催)である。いろいろなジャンルの音楽コンサート、芸術関係の展示会、子供向けミュージカルや催しなどがある。クラシック音楽では、フィンランドを代表する指揮者、エサ・ペッカ・サロネンが指揮するフィンランド・ラジオ・シンフォニーオーケストラのコンサート、ヴァイオリンの五嶋みどりが、ストックホルムフィルハーモニーとフィンランディア・ホールで共演するなど、みどころは多い。興味のある方は今年は間に合わないかもしれないが、来年訪れてみては。詳細はこちら

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)
 




写真上:ラズベリーを探しに森へ
写真中:秋のヘルシンキ(イメージ)
写真下:ヘルシンキフェスティバル
PHOTO: Helsinki City Tourist & Convention Bureau

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2004.7.2
 スオメンリンナと朝市場へお出かけ
ヘルシンキから手軽に行ける美しい島として、スオメンリンナがある。船は朝市場から出発し、20分程で行ける。6月22日に新しい船Ms Suomenlinnaが就航したので、オススメ。運航はヘルシンキ市交通局で11時頃から18時半頃まで。350人乗りで、砕氷技術も備えている。運賃はヘルシンキ市内の市電、バス、地下鉄と共通運賃の2ユーロ。

乗り場がわからない時は、朝市場周辺をヘルシンキ市観光局の人が i のイニシャルの入った緑色のゼッケンをつけて歩いているので、彼らに聞いてみよう。地図も持っているし、親切に教えてくれる。彼らは話せる言語の国旗バッジを胸につけているので、もし、日本の日の丸のバッジをつけている人を見つけられたら、ラッキー。でも、今までのところ、出会ったことがない。

スオメンリンナには、この6月17日に日本の茶室がオープン。本格的な造りだが、天井は昔要塞として使われていた建物の岩肌が、そのままむき出しになっている。それが不思議にマッチしているから、おもしろい。但し、今のところ、一般公開されていない。

朝市場は午後2時に一旦市がひき、ヘルシンキ市の清掃車がやってきて、かもめと一緒に市場の掃除をする。その後、夕方の4時頃からまたぼつぼつと市が立つが、午前中の方が野菜・果物・鮮魚など食料品も多くあり、活気があるので、できればスオメンリンナに行く前に朝市場をまわってみよう。時間があれば、市場の近くにあるレンガ造りの屋内マーケットホールを見るのもおもしろい。ここは、食料品のみ。

朝市場は外国人旅行者が、必ず来る所。だから、コインを収集したい人は朝市場で買い物をすると良い。いろいろな国のコインでおつりがくる確率が高い。ユーロはEU加盟国共通通貨だが、コインの裏側は各国違うので、朝市場でおつりをもらったら、裏側を見てみよう。物価の高いフィンランドのユーロの最小通貨額は5セントだが、南ヨーロッパなどは2セントが最小。また、今年5月1日の10ヶ国の新規加盟によるEU拡大を記念して、フィンランドの2ユーロの記念コインが発行される。50万枚限定。

EU加盟国でもイギリス、デンマーク、スウェーデンはユーロ通貨を使用していないので、そちらまで足を延ばす人はご注意を。

(レンミッキ/ヘルシンキ在住13年、OL)


※2004年5月1日にEU加盟した10ヶ国(キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロベニア、スロバキア)では、まだユーロ通貨ではありませんので、ご注意ください。 




写真上:スオメンリンナ
写真中:ヘルシンキ市観光局のスタッフ
写真下:朝市場
PHOTO: Helsinki City Tourist & Convention Bureau

text & photo by レンミッキ
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